無意識日記々

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ULTRA BLUE 7th Birthday

さてさて今日は「ULTRA BLUE」発売7周年記念日。あれから7年、といってもまるでピンと来ない。多分、今でも普通にこのアルバム収録の楽曲がすぐ傍にあるから…というよりバリバリ現役だろう。

この作品の評価はやはりBe My LastとPassionをどう位置付けるかによって変わってくるだろう。特にPassionは、宇多田ヒカルにしてはオリコン1位を取れなかった曲、というネガティヴなポジションから出発しておきながら今や最も高い"評価"を受ける楽曲となっている。時の流れというものは面白い。

評価、は確かに高いが人気があるかというとまた別なのも面白い所。「一目おかれている」位が妥当な表現か。好きという程近くには感じないけど遠巻にみれば眩しく輝いている、そんなような立ち位置の楽曲になっている。キングダムハーツのお蔭も大きいのだろうが、今後はディズニーとの仕事には関わらないような雰囲気もあったのでそれは少し残念かもしれない。

Be My Lastの評価はもっと難しい。いや、当初から評価は変わっていないのだが、Passionとは逆に、渦巻くものが闇過ぎるから近寄り難い、という空気を纏っている。かあさんどうして。ツアーでもチェロ一本で披露された為更に孤高というか孤立というか独立国のような印象。当初は思ってなかったが、Passionとは陰陽の関係にあるのかもしれない。

他の曲では日曜の朝の人気が興味深い。いや、人気が突出しているという訳ではないのだが、タイトルがこうなだけに日曜の朝に聴く人は未だに絶えない。極端な話、曲の内容以前に、こうやってシチュエーションを限定したタイトルの曲をヒカルが提供したという事実の案外な重さというものを感じる。それだけのことなのだが、そのそれだけが聴き手にとっては大きいのだ。誰にとってもさりげない、しかし着実な逸品。そこから逆算して考えるとヒカルがこの曲をこのアルバムでいちばん好きと宣った事がよりしっくり来るような気がしてくる。まだまだこの歌は「育つ」だろう。

そういえば「Making Love」である。歌われたご当人の今を考えると、この曲の第2弾というかアンサー・ソング的なものがそろそろ生まれてきてもおかしくはない。この人との事を歌うと躍動感が違う。次はどんな曲調になるのか。これを上回るアッパー・チューンになるのかウラをかいて超ダウナーにキメてくるのか、う〜ん、やっぱり太陽のような曲調になるだろうかな。


こうしてみてみると、何だろう、このアルバムがまるで「終わっていない」、現在進行形の作品である事を痛感する。以後ライブで何度も歌われる「COLORS」も、そのアレンジの違いや、シングル発売、シンコレ収録、そしてULTRA BLUEへの登場と既に非常に長い歴史を描いている。なんだろう、ULTRA BLUEはまだまだ「生きて」いるのだ。ジャケットの自信満々なヒカルの表情が、時を超えてその事を物語ってくれているようにも思われる。