無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

That's 雑談 done.

何かまたキリヤンが余計な事を言ったらしい。いつもはツイート位しかないのだが、今回はソースが雑誌の対談で、それが記事になりその記事の見出しがヤフトピトップになり今ここ? 私は雑誌は読んでいないが、多分全体の感想は「そんな事言ってるから愛想尽かされんだよ」みたいなところかな。

私が不思議で仕方がないのは、彼には自らの作品に対する愛情はないのか?という点だ。彼の発言には「ひとりでも多くの人に自分の作品を観てもらいたい」という"願い"が一切感じられない。別に好かれる必要はない。嫌われるのもひとつの印象付けなんだからそれもまた一興なのだが、そもそも発言自体に魅力がない。黙って立ってりゃイイ男、をここまで体現してる人も珍しい。恋人としてなら素晴らしいが、この人が家族になったらウンザリするだろうなぁ。岩下家の皆さんゴメンナサイ。

いやね、自分の作品を世に送り込みたいのであれば、自分の発言によって自分の創った作品に興味を持って貰いたいとは思わないのだろうか。つまり、発言に戦略性がないのである。常に戦略的に発言を吟味するような人とも家族になりたくない気がするが、プロフェッショナルとして仕事してんだったら対談記事の印象くらい考えて喋れよ…。ヒカルの言う「イヤなこと言うヤツ」として言わせてもらうなら、自分が満足する作品を創るだけだったら、世の中に公開する必要ないじゃん。家で観てればいいと思うよ。自分の作品を愛しているなら、その作品が世に問われるときに不利になるような材料を提供すべきではない。

いやいや勿論、更なる理想は「あいつの事は大嫌いだが、あいつの作品は素晴らしい。」と言われる事なのだが、それはとんでもなく高いレベルの話だ。さっき触れた「嫌われる事もまた印象のひとつ」という話だが、まずは、普通なら作品を愛される為に作者も愛されようとするべきだ。最低限、嫌われないようにしたらいいのに。

そういう面倒な事、こすずるい事がイヤだから俺は作品に言いたい事を総て込めてるんだ…と、言ってられるのは中2までだよねぇ、、、、。


私がこんなに辛口なのも、相変わらずキリヤンの撮る「絵」は素晴らしいと思っているからだ。もしそう思ってないのならそもそも話のテーマに選ばないよ。RenaissanceやBlackmore's Nightが新作出してるんだからそっちの話題に時間を割きたいよ…ぶつぶつ…


最近、でもなく恒常的な話題なんだが、"絵"にこだわる人は本当に話作りが下手だ。前季のアニメに「ビビッド・レッド・オペレーション」というのがあって、BDも一巻あたり7000枚前後売ってるそこそこのヒット作なのだが、作画はかなりよかったのだ。変身バンクシーンなどは見事なもので、これ着ムービーにしたら売れるんじゃないのという代物だった、んだが兎に角脚本が滅茶苦茶で、どこまで笑っていいのか理解に苦しむ珍作だった。こんなに絵のクォリティーにこだわった監督が、何故こんな脚本にOKを出したのだろう、という…まぁ私はゆかちんとりえしょんのニコ生観るついでに観てただけなんすけどね…

思うに、映像屋さんというのは、撮りたい絵があって、そこに至るプロセスなんかどうでもいいのである。いや、そのプロセスをすっ飛ばして直接"そこ"に行きたいからこそ写真を撮り絵を描くのだ。なぜなら"絵"は自由だから。三次元の法則性に満ちた現実世界では、ある場面に辿り着く為には"段取り"というものが極めて大切である。脚本とはつまり、その段取りを如何に共感を得ながら精密かつ簡潔に描くかが勝負なのだ。しかし"絵"は違う。いきなりそこにドン!である。段取りもプロセスも脚本も知った事ではない。描きたい場面がある、撮りたい風景がある、ただただ、それだけなのだ。


そう考えると、キリヤンの稚拙極まりない発言の数々にも納得がいく。彼は根っからの"絵"を描く人、"絵"を撮る人なのだ。それが口を開くと、いきなりあからさまに、何の根回しも前フリも事前認識の確認もなく、ドン!と発言して終わりなのである。よって、言ってる事自体には共感できるかもしれないのに、文脈(つまり脚本だ)に対する想像力がないから、言ってはダメな場面でも堂々と発言する。要するにこどもなんだなぁ。あらなんてありきたりの結論。

光の方は作詞作曲家であるからプロセスが何よりも大切だ。メロディーは音のプロセス、足跡をなぞったものなんだもの。どの音をどう紡いでいけばあそこまで辿り着けるか、という点に年がら年中執心し続ける。そりゃ、絵を撮る人とは相容れないと思うが、だからこそこの2人の組み合わせは素晴らしかった。キリヤンの欠点をヒカルが見事にカバーしていたのは、あのUnitedの詩でも明らかだろう。しかし、キリヤンはヒカルの欠点をカバーする事が出来なかった。まぁ、カバーすべき欠点自体が見当たらない気もするが、今やPVも自分で撮れてしまう宇多田光氏に死角なんてない。嗚呼、復縁なんて本当にあるのだろうか…。