無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

凄く余計な与太話

もう一度FLMFiTと従来の配信分を聴き比べてみた。うむ、全く一緒にしか聴こえない(笑)。どこがどう変わったんだろうなぁ…。

元々私は耳がよい方ではない。謙遜でもなんでもなく。視力でいえば0.3〜0.4とかいった所だろうか。今目の前に居る人の喋りが、周りの人はちゃんと聞き取れているのに私は何と言っていたのかわからなかった、というケースは山ほどある。というかそれが普通だ。私が気にしぃならコンプレックスになるレベル。

それでも音楽の"いい音"、或いは"高音質"が何であるかがわかるのは、私がたくさん音楽を聴いてきていて、尚且つその記憶をすぐに参照できるからだ。つまり、聴力は低いが記憶力が高い為、過去の(多分膨大な)データと比較検討する事によって、目の前の不明瞭な認識が何であるか、どういう風であるかを推察する事が出来る。また、それをある程度分析して言語化する事が出来る。それによって私は自分の耳がいいかのように、自分は音を分かってるかのように"振る舞う"事が出来る。要するに偽物・偽者である。

という訳なので、リマスタリングの成果がよくわからなくても不思議ではない。しかし、となると、以前から照實さんが示唆していて、この度遂に現実となった"ハイレゾ音源"について、どうすればいいのか悩ましい事態になったと言うしかない。

照實さんに「そもそもマスターのビットレートはどれ位なんですか?」と質問した事がある。それに対する彼の第一声はこちらの予期していないものだった。「そんな事訊いてどうするの?」だ。いやいや、マスター音源を忠実に再現するのがハイレゾ音源のセールスポイントなんだから、マスター音源とハイレゾ音源のレート比は最も気になる点である。自分で言うのも何だが、私のした質問は至極当然のものだったのだ。

そもそも、配信されるハイレゾ音源のレートよりマスターのレートの方が低いとすれば、基本的にそれは無意味である。マスターがCDと同じレートでしか存在しないならハイレゾ音源の存在価値はない。DVDのアップコンバートのようにソフトウェアレベルでの補完作業があるなら別だが今はそういう話ではないだろう。

そんな感じなので、実は、上記のように照實さんに返された時、わざわざ返答してくだすった方に対して大変失礼なのだが、「このプロジェクトはあまりうまく行っていないのではないか」という感想を持った。ハイレゾ音源の音質に絶対の自信を持つのなら、こんな"不機嫌そうな"回答はしない。もし自信があるのなら、話題に出された時点で「よくぞ聴いてくれました」と音質向上自慢を始める方がリアリティがある。プロフェッショナルなミュージシャンの音質へのこだわりというのは一般人からみるとかなり尋常ではないものがあって、例えばどれだけ作曲がうまくいかず曲がつまらなくても、サウンド・プロダクションがうまくいけば「あのアルバムは素晴らしかった」と過去を振り返って絶賛してしまうような感じなのだ。曲がよくなくても音がよければ上機嫌でずっと聴いていられる。それがプロのミュージシャンという人種なのである。

さて、では、最終的なFL15のハイレゾ化はうまくいったのだろうか。機会があれば、また照實さんに質問をしてご機嫌を伺おうと思う。その時彼が上機嫌で返してくれるようだったら、購入してみようかな…。