ケイト・ブッシュが35年ぶりにコンサートを開催しているという事で「4年や5年待たされる位が何だ」と自分を慰めるモードに入ってしまいそうだが、錯覚だからなっ! 4年本職を休むだなんてミュージシャンでもあんまり居ないんだぞ。
とはいえ、1998年以降今年まで17年連続でオフィシャル・リリースがあるのだから、4年休んでいるとは一概に言い難い。ライブ活動から4年離れている、といえばそうだが大方の人はその前も4年、更にその前も4年いやさ6年待ってたのだから、何というか慣れたわ。
こんなペースだから本当にお財布に優しいミュージシャンである。私なんかは本来Passionのシングル盤を10枚は購入していなくてはいけないのに。
さて、イギリスの、ロンドンだったかな、でLIVEを行っているというケイト・ブッシュだが、やはりチケットはプレミアムだそうで、如何にHikaruといえども果たして観る事が出来たのかは怪しい。20世紀のロック系女性シンガーとしてはジャニス・ジョプリンに次いで有名だと言っていいと思うが、取り敢えず日本では明石家さんまの恋の空騒ぎのテーマソング歌ってる人と言った方が通りがいいだろうか。何でも今回の"復活"は、愛息からの助言が大きかった、みたいな話も出ているそうだが、世界中のファンが息子ぐっちょぶとサインを出している事だろう。
掛け値無しに"伝説的"と呼べるシンガーが歌っているのを、しかし、Hikaruが観れたとしたら影響は計り知れない。私が万が一チケットをゲット出来ていたらHikaruに譲っていただろうな。ゲット出来るわきゃないけど。今Hikaruが何処に住んでいるのかは知らないが、ロンドンにもアパートメントがあるのなら何とかして観に行って欲しいものだ。
そしてロンドンっ子の本日の関心といえば、スコットランド独立国民投票だろう。16歳以上に投票権があるときいたら16歳のHikaruはどんな顔をするのかな。
Kuma Power Hourでスコットランド特集(コクトー・ツインズ、ザ・ブルー・ナイル、モグワイ)を仕掛けたHikaruなだけに、興味がない筈がない…というか、ロンドンっ子にとってはこの間まで国内だった所が国外になる訳で、パスポートとかVISAとかどうなるのといった実務的関心も出てくるだろうから否が応でも注目せざるを得ないのだ。元々こういう歴史的転換点イベントは好きな方だろうしそれなりに盛り上がってると推察するが、特に自身のルーツ的な匂いも嗅ぎ取っているとなると、昨日までと同じ土に色の違う旗が刺される事に思う事がない筈もなし。それこそ、久々にMessage from Hikkiを更新するにはいいネタである。
我々の感覚でいえば、沖縄が独立して琉球国に戻ります」みたいな感じなのかなぁ。いや四国か九州が外国になる、くらいに考えた方がサイズ的には近いかな。いずれにせよ多くの日本人にとって「ニュースは囃し立てているけどイマイチピンとこない」ニュースなのではないだろうか。だとしたら、私もだ。どうなるのか、日本時間明日以降の開票を待ちたい。
経済や政治の変化によって、スコットランド、特にグラスゴーから新しい音楽が生まれる、なんて事になったらリスナーとしてはエキサイティングだ。なんだかんだ言って、その時の社会情勢は若者の音楽に影響を与える。オイル・ショックとともに70年代の音楽が廃れ80年代に向けて新たな波が立ち起こったのは偶然ではない。もし独立ともなれば、グラスゴーの若手たちを大きくインスパイアする事件となるんじゃないかな。Hikaruがその中に飛び込んでいったりするのを想像するのも楽しいが、31歳か…ま、歳は関係ないよね(笑)。どうなりますやらです。