無意識日記々

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世界卓球女子複選手選考記事の話

危惧の話。

一昨日、昨日も世界卓球個人戦選手選考の記事がヤフトピトップに出ていて驚いた。まだやってる…。

最初に記事が出た時には「そのうち正しい情報が定着するだろう」と高を括っていたが、一向にそうはならなかったようだ。これはマズい。

論点を整理しておく。今年春に行われる世界卓球個人戦の女子ダブルスに、全日本選手権女子ダブルス2連覇中の石川佳純平野早矢香組が選ばれなかった事に平野早が所属するミキハウス側から抗議が選考側に対して出されたという話。

心情的にはよくわかる。所属チームの選手が選ばれて欲しいと。問題なのは、この件を各紙が無検討に取り上げている事だ。

誤解が蔓延しているようだから整理しておくと、そもそも全日本選手権は世界卓球の選考会ではない、という事だ。唯一、男女単優勝者のみ自動的に選出される規定があるが、これは例外的措置であって、単2位以下については結果を勘案するとすら(選考基準には)書かれていない。ダブルスについては一切全日本選手権に関する基準が無い。その為、石川佳平野早組が全日本で何連覇しようが選考基準的には何ら関係がない。

実際に選出されたのは皆様お馴染み中学生コンビの伊藤美誠平野美宇組と福原若宮組である。どうやら伊藤平野美ペアが若手であり、また、その全日本選手権で石川平野早組と直接対決で敗れている為誤解が止まらないようだが、直近のダブルスの世界ランキングを見ると伊藤平野美組が堂々の世界1位、福原若宮組が世界7位、石川平野早組が世界13位である。何の事はない、今回の女子ダブルスの選手選考はただ単に世界ランキング順に上から2組選んだだけのものであって、これ以上ない明確な基準で行われたのだ。批判が起こるとすれば寧ろ「そんなに機械的に決めていいのか?」という点の方であろう。


この、「全日本選手権は世界卓球の(特にダブルス種目は全く)選考大会ではない」という事実と、「女子ダブルス世界ランキング」は検索すればすぐに確認できる。今回非常に大きな問題なのは、こうやってすぐに確かめられる資料をみた人間の見解が多数派に転じられなかった点だ。人間なので、早とちりや勘違い、おっちょこちょいやうっかりはあるだろう。しかし、時間をかけて議論していく中でそれらは徐々に修正されていき、全体として正しい見解(というかただの事実確認)に近づいていく筈である。しかし今回それが1ヶ月経っても起こっていない。これはゆゆ式、もとい、由々しき事態である。

ん。枕の話が長くなってしまったな。でもごめん、もうちょっとだけ続きます。(←何その亀仙人的詐欺台詞は)