今はCD不況と対比してコンサート事業の活況が取り上げられる事が多い。やはりフジロック以降フェスティバル形式が定着してコンサートを"お祭り"の一種としてみる意識が強くなった事が大きそうだ。もともとお祭り好きな国民性ならそれに火が点いたという事かもしれない。
こうなってくると誰かが手を出さないかな〜と思うのが「ライブ・テーマ・パーク」なんだが、流石に誰もやらないかな。要は、ディズニーランドのアトラクションの代わりにライブハウスがどさっと並んでいるような場所である。或いは、シネコンのライブハウス版と言ってもいいかもしれない。固定された土地で、いつ行っても誰かしらのライブがやっているような、そんな空間だ。
興行とは基本的に旅回りである。サーカスだろうが歌だろうが何だろうが、芸人一座があなたの街に行きますよというのがそのスタイルだ。今もそのスタイルは受け継がれていて、野球場や競技場や会議場を間借りしながら全国を回るのがコンサートツアーになっている。
逆に「いつでもここに居るからいらっしゃい」というのが"テーマパーク化"だ。定点ライブのメリットは、ステージセットを運搬する費用が不要な為、豪華なセットを組むのが容易になること、また、高品質のサウンドプロダクションを維持出来る事である。
似たような例は幾つかある。ラスベガスなどでは長期契約を結び半年間毎週同じ場所でライブをするようなビッグ・アーティストも居たし、AKB48は秋葉原に根城を構えて"会えるアイドル"を体現した。定点ライブ自体は前例がある。しかし、それがテーマパークにまで発展した例は私の知る限り無い。
昔は交通事情が今より貧弱だったから興行側が旅回りする必要があったが、今は新幹線や高速バスなど長距離移動手段が進んでいる。特に、この日本は狭い国土に一億人が詰め込まれているのだからテーマパークの類は成功する可能性もある。もっとも、それも極一部で世の中には廃墟と化した空間もあるとかないとか。
ま、仮にそんな夢みたいな空間が出来たとして、ヒカルが契約したりするだろうかと考えたのだが、限定的なケースを除けばあまりなさそうだ。「そんなのわざわざ遠くに出掛けるの面倒じゃない」とツアーを選択しそう。しかし、過去には「ヒカルの5」「WILD LIFE」の二回、突発的にライブを企画し、その時押さえられた会場一ヶ所でライブコンサートを行った前例がある。それを考えると、今後似たようなケースになった時にライブテーマパークがあればブッキングもスムーズだしより多くの本数を設定出来るだろうし何かと都合がよいだろう。ヒカルの場合スケジュールが全く読めないから「困ったときのなんとやら」があったら非常に助かる。
…仮定の話に仮定の話を乗っけて書くだなんてまぁ虚しいのもいいとこなんだが。ただ、今のコンサート興行の隆盛がこのまま続くのかそれともここから衰退するのか見えていないだけに、何らかの新しい策は打つ必要があるだろう。そういうのも見極めた上で今後のライブ活動の方針を決めていくべきなんだわさ。