無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

旧弊は1日にして覆らず

先日終わった卓球の世界選手権はテレビ視聴率も好調だったようで、テレビ東京は週間ゴールデン平均視聴率で開局以来初めて民法トップ3に食い込んだという。マイナーといわれていた卓球競技にスポットを当てて貰って卓球ファンはさぞテレビ東京に感謝しているだろうと思いきやネット上では罵詈雑言の雨嵐。何があった。

国際卓球連盟では普段から主催試合を無料・無登録でストリーミング生配信している。ツアー大会は勿論のこと、世界選手権も同様だ。ittvと呼ばれるこのサイト、実は大手のテレビ局が放映権を買うとストリーミングをブロックしてしまうのだ。そのテレビ局の在る国限定で。

もしネットでもテレビと同じ試合をストリーミングすれば視聴者が分散され視聴率が落ちてしまう、という懸念もわからなくはない。しかし今回はテレビで中継している試合のみならずittvをまるごとブロックしてしまった。これでは、日本代表のみならず各国代表の試合を見たがっている普段からのittvウォッチャーの怒りを買うのは当然だ。よりによって普段のツアー大会より重要な世界選手権がね。

まだまだ細かい話はあるが、要するにテレビ局が放映権を買う事で普段楽しめているスポーツ生中継ストリーミングが楽しめなくなって反感を買った、という話。もう典型的な「旧弊事例」である。CMを流してスポンサー料を貰うという旧来の手法を、変革するでもなくネットにアジャストさせるでもないならば、新旧文化の衝突も不可避になってしまうわな。

これは本当に教訓である。世界卓球連盟は放映権料による莫大な収入が欲しい、しかし本来の顧客である卓球ファンから反感を買うのもまずい。本来ならネットストリーミングでもCMを流すとか、有料に切り替えて普段通りに見れるようにするとか対策はあった筈だが、旧弊というだけあって実現のハードルは高い。今回もネットサイマル放送にチャレンジしたが、流せたCMは番宣のみ。もう「あしもとにおてもと」も「吉祥寺うんたら」も見たくない。うんざり。(←流し過ぎの弊害)

多分、当事者たちもなんとかしなくてはと思っているのだが、半世紀以上続く地上波テレビの収益モデルを変えるのは容易でないのだろう。事実視聴率の面ではテレビ東京が見事に結果を出している。恐らくストリーミングを前面解禁しても視聴率は下がらないどころか上がっただろうし。

もう21世紀も17年経過したが、それでもまだまだ旧弊を覆すのには時間がかかる。殆どの人間が変革を望んでいてすらそうなのだ。ちょっとテクノロジーの進歩が急峻過ぎるというのもあるけれど、皆がどういう解決策を見いだしていくか、楽しみながら見守っていこうかと思います。結局他人事。