んで「プラットホームからの生配信は禁止」は至極納得するとしてもさ、じゃあうちらが記録したファイルをいつどこにアップロードするのはOKになるのかってのが、実は結構ややこしいんよ。
例えば公演中に一曲まるまる撮影したとして。停止ボタンを押したらシェアボタンが出てくるわけですよ。メールで送る?LINEに流す?Xに投稿する?みたいにズラッと出てくるよね。この「歌い終わった直後、停止ボタンを押したタイミング」でTwitterかなんかにアップロードしちゃっていいんだろうか? これを全曲全MCで繰り返したら、生配信プラットホームを使わなくてもほぼ生配信したことと変わりなくない? 全米生放送や全世界生中継とかでやってる数十秒のディレイ放送に似たものにならない? どこらへんから大丈夫なの?
そんなだから、ガイドラインが必要になるのよね。例えば公演中の模様の記録は必ず終演後に公開するようにしてくださいとか、或いは日付が変わってからとか、1週間後からとか、何ならツアーが終わってからにしてねでもいいのよ、どんなでもいいから何か指針がないと。著作権法を持ち出されたらいつ文句を言われても仕方がないんだもの。
うん、本来ならそういうのは信頼関係の中、阿吽の呼吸で「流石にこういうのはまずいよね、これくらいならいいよね。」っていう感覚をお互いが持って行うべき事で。コミケで頒布してる(売ってるとは言わずに40年来ましたねぇ)二次創作同人誌なんかまさにそれで(コミケ行った事ないけどね私)、実際に明示的にお伺いを立てられたら公式としてはアウトって言うしかないから「お願いだから訊かないでくれ!勝手にやってくれ!知らなかったフリをするから!」って祈って黙認してるんだよね。出版社や著作者も、二次創作が未来のクリエイターを育てる事を知ってるからグレーな領域をどうにか存えさせたいわけですよ。
宇多田ヒカルのライブもそう。クリエイターとは限らないけど、SNSで動画を観た人が「宇多田ヒカルいいじゃん!コンサート行ってみたい!ライブDVD買ってみようかな?」とか思ってくれる可能性なんかも信じて、色々と公式が特別に許してくれてるわけなんだし、うちらはそれに対して節度を守って……
……みたいな風になる予定だったんだけど、生配信詐欺アカウントの横行のお陰でそんな空気は霧消しちゃったね。
もうこうなったら仕方がない、ということで細かいルールを作るしかないのでは。例えば一公演3曲までアップロードしていいよとか、MCは無制限ですよとか、記録してから100時間経過したら公開していいからねとか、そういったことを著作権者側が明文化して聴衆と記録者公開者に“安心”を与えるしかないのかもね。
でも細かいルールを作り始めると、そこから「ルールの抜け穴」を穿つ人が出始めてまたそこを埋める為にもっと細かいルールが必要になって…っていうイタチごっこが始まっちゃうのよね。だからそれを繰り返して積み上がったルールの塊は…今度から入ってくる初心者の皆さんにとっては建て増ししまくった摩天楼の如く見えて敷居の物凄く高い、どこから手をつけたらいいのかわからないものになってしまう。そうなると、もう手が出せない。
だから、本来は最初の段階で踏み止まるのが望ましい。常識と良識に従って、お互い口を噤んで…っていうね。今からでも遅くないけどね。出来るならそうして欲しいよ。でも、どうだかなぁ…?
なお余談だけど、MCの録画なら、今の状況ならアップロードしても大丈夫かもしれないわ。あそこで法律的に主張出来るのは、ヒカルの肖像権と、場合によっては舞台監督さんや大道具さん、衣装さんに照明さんの著作権くらいでな…まぁ特に文句は言わないでしょう。って、でも、それも「こちらに都合のいい見立て」でしかないからね。やれやれなんですよ全くもう。
そんなこんなで、今後公演の模様を映像や音声で楽しめるかどうかの点で、明らかに前回ツアーより後退してしまいそうですが、公演内容が総てを吹っ飛ばしてくれると信じて、盛り上がって参りましょう。多少気分をテコ入れしてでも!