無意識日記々

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SF版OLKを観ての感想


(※ 先週金曜夜に寝過ごしてアップし損ねてたエントリを今頃上げてみたり)


でその『One Last Kiss [live 2024]』なんだけど、なんか不思議な映像だったな…。


ずっと顔のクロースアップではないけれど、歌の差し替えは無い。日は違うが自分がナマで聴いた時とほぼ同じクォリティだ。よくここまで仕上げたもんだね。『Hikaru Utada Live Sessions from Air Studios 2022』(珍しく辞書登録済み)で聴かれるバージョンも素晴らしかったが、あれはスタジオで棒立ちでメンバーの演奏だけ聴いてればよかった状況だったもんね。アリーナでのライブはそれに加えて広いステージの演出に合わせて歩き回って何よりオーディエンスの反応を窺いながら歌わなければならないから難易度は格段に跳ね上がる。そもそもの合格ラインが宇多田ヒカルの歌ったスタジオ・バージョンなのだからホントに過酷よな……


…といった基本的事項はしっかりクリアした高品質なパフォーマンスだというのを大前提として感想を述べると、全編この調子で編集したのかな?というのがまず気になった。まるで記録映画みたいな編集の仕方だなと。或いは、NHKのドキュメンタリーを観ているような。いつ冷たいナレーションが被さってくるんだこれは?とか余計な事を考えてしまった。


確かにオーディエンスが大人しかったからその反応を大きくフィーチャーする路線には行かないんだろうが(これまた私が観たのは日が違うので推測でしかないのだけど)、映像にしろ音響にしろ、「ひとところに2万人を集めて魅了した」というスケール感に乏しい。その意味で、アリーナらしさというのが伝わってこない。曲終わりの観客の歓声がまるでとってつけたみたいにも見えたのでそれもあるかな。


また全編通して観たら感想も変わるかもしれない。特にステージ上の映像と光の演出は一曲毎にコンセプトが異なる為、この編集の仕方は『One Last Kiss [live 2024]』独自のものである可能性もあるしな。


しかし、こうなるとますます映画館で『SCIENCE FICTION TOUR 2024』を観たくなった。それこそ、ツアーの記録映画風なら映画館で観るのにうってつけ。今のところ、Blu-rayと映画館で映像が異なるという情報は無いんだけど、『WILD LIFE』は2010年12月8日のライブストリーミングと2011年1月2月にスカパー!/SSTVで放送されたエディションと2011年4月5月に発売されたDVD/Blu-rayで全部編集が違ってたらしいんだよね。こんな日記を書いてるのにそのチェックを怠った私なんですが。なので、SFツアーの映像に関しても、映画館と映像商品でどこか異なるポイントがあるかもしれないね。まぁ今んとこ私が注目してるのは映画館では何ミックスで音声を流してくれるのかって点でまたもや映像の差異には意識が向いていないのですが。


まぁね、『One Last Kiss』でまず思い浮かぶヴィジュアルって勿論あのミュージック・ビデオなんだもの。「宇多田ヒカルとのデート・ムービーが完全に曲とシンクロする編集で堪能できる」という全人類史上最強の企画の齎した興奮とどうしても比較しちゃうとこが脳裏のどこかにまだ残ってるので、それをちゃんと除去してからもう一度今回の映像を観た方がいいのかもね。歌とサウンドと映像演出の躍動感に比べて、なんだかやたら冷静な編集に感じたので。まぁそんな細かいことはいいんだよとばかりにヒカルの歌声と御姿がとびきり美しいのでもうそれにやられっぱなしではありますね。あぁそうか、フェティシズムが足りないね。あいや、そういうの要らないですかそうですか…「なんで今そこ映すの!? 歌の流れと関係ないよね!?」とツッコまれそうな、唐突な背中やうなじや腰つきや睫毛のクロースアップとかあったらいいんですけど、ないかなーw (2024.11.1夜執筆)