無意識日記々

mirroring of unconsciousnessdiary

真夏に聴きたいSPライブ音源3選


前回夏向けの曲を3曲取り上げたが、勿論他にもヒカルの曲で夏に聴きたくなるものは沢山ある。そんな中で見落としがちなのが、普段のスタジオ音源ではなくスペシャル・ライブの音源の数々である。



まずは2001年に収録された『MTV UNPLUGGED』の音源だ。実際に真夏に収録されたこともあってかなくてか、非常に涼しげなアレンジのものが多い。ってかそもそもアンプラグドってアコースティック・ライブのことだから普段の電子音満載の編曲より涼しげな音作りになるのは当然っちゃ当然なのだが、やはりここで聴ける『Automatic』や『Parody』には独特の軽妙さと親密さの同居があって堪らない。こんな音なら暑苦しくもならないだろう。勿論、絶品のU2のカバー『With or Without You』やこの時初披露の『FINAL DISTANCE』も聴き逃せない…とかいってたら全曲聴いちゃうよね。そりゃあね。


次に、2003年1月19日に配信された『20代はイケイケ!』も聴き逃せない。どうしてもリアルタイムで観た人にとっては真冬のイメージがついているかもしれないが、ここで聴ける井上陽水のカバー「少年時代」でのヒカルの歌唱は歌詞も相俟って真夏に相応しい優しい清涼感を運んでくる。同曲に関しては2019年にスタジオ収録版がリリースされているが、どちらかといえば夏向きなのはストリングス・アレンジの落ち着いたこちらのバージョンではなかろうか。


あとは、それなりに最近の音源だがこれまた真冬のイメージに引き摺られて真夏に思い出しづらいかもしれない『40代はいろいろ♫』の音源もいいのよね。『First Love [Live 2023]』は、数多ある『First Love』の中でも最もリラックスしていて音の隙間ににゆとりのあるサウンドだし、『Rule [Live 2023]』はオリジナルの『君に夢中』のゴリゴリなベースラインによる分厚いサウンドとは一線を画す、真夏にうってつけの喉越し最高な淡いひんやり感を優しげに運んでくれる、宇多田ヒカルのトラックの中ではなかなかに稀有な逸品となっている。今回夏向けに何がいいかと聴き漁った中でも珠玉の一曲であった。



ほんの20年くらい前までなら真夏の選曲といえば、いわば「暑い時こそキムチ鍋!」みたいな反逆精神で「暑さを吹き飛ばせ!」とばかりに暑苦しくエネルギッシュな曲を聴いて頑張るぞ!みたいなことも主張できた。それこそ『MTV UNPLUGGED』の『蹴っ飛ばせ!』なんかもそうだし、なんなら『Bohemian Summer 2000』のVHSやDVDを全編流して真夏の擬似ライブでお部屋で盛り上がったりしてもよかった。しかし令和の日本はといえば、今年から40°C以上を記録した日を正式に「酷暑日」と呼ぶようになるなど完全に「暑さは災害」モードに突入している。こんな時に暑さを吹き飛ばそうと暑苦しくはしゃごうものなら熱中症まっしぐらになってしまうのでやはり外から帰ってきたら冷房の効いた部屋に入り浸って涼しげな曲を流して暑さで疲れきった身体と精神を癒したくなる。そんな時は前回と今回挙げたような、涼しげでリラックスしたサウンドと歌唱のトラックをかけて過ごすのが、結局はいいんじゃないかな〜と思うのでありましたとさ。まる。