無意識日記々

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すっとらいず、きいてみましたよん

小袋成彬の3rdアルバム「Strides」がリリースされた。何の因果でTwitterブロックされてる相手の仕事に触れなきゃいけないんだとプチ憤慨しているが、ヒカルのクレジットがあるんなら是非もない。そりゃ聴いてみますよ。

大体、あたしゃ当初からTwitterでは「小袋成彬」と呟かないようにしてきたというのに一体なぜブロックされたのやら。ほぼ総てを「なりくん」で統一していたから嗅ぎつけられる道理が無い。つまり、彼はTwitterエゴサするのみならず、そこから更にうちのこのブログまで読みに来たってことだろう。メジャーレーベルからアルバム複数リリースしてる人のすることか?暇人?偏執的ですらあるわねそこまでするとなると。

まぁ、あたしもブログ読まれたらブロックされるかもなと予め警戒してたから「小袋成彬」と呟かないようにしてた訳で完全に自業自得なんだけどね。

でその「Strides」、ヒカルは「Rally」と「Parallax」の2曲にクレジットされている。二人でデュエットした1stアルバムの「Lonely One』、作詞で参加したと思しき2ndの「Down The Line」、どちらも素晴らしかったので今回も期待して耳を傾けた。

「Rally」の方は、一聴しただけではヒカルのカラーみたいなものが感じられず戸惑う。ふむ、わからん。もしかしたらラップ・パートだろうか? メロディに載せる時は発音の制約がある為個性が出るが、ラップだとそういう軛が緩むから作詞も結構自由になるのがヒカル。いや、ラップの時の作詞は例が少ないけど、『Too Proud』では遠慮無く『ビートたけし』とか放り込んできてたんだから、どんな作詞をしてきてもわからないかもな。(そういやこれ、すっかり忘れてたんだけど正夢だったのよねぇ……)

一方、「Parallax」の方は出だしから歌詞が宇多田ヒカルっぽい。出だしの「一目みただけでわかっていた わかっていたこと」からして『嫉妬されるべき人生』の『軽いお辞儀と自己紹介でもうわかってしまったの』を連想してしまう。

更にここから「あなたから隠れて黙って戦っていたこと」と続く。それ『Prisoner Of Love』の『人知れず辛い道を選ぶ私を……』へのアンサー?ねぇアンサー?

そこから先もあれやこれやと連想させる歌詞が続いていく。これはヒカルが作詞したと言われても肯いてしまいますねぇ。

という感じでかなり対照的な2曲になっている。「Rally」がラジオから流れてきてもスルーしちゃうけど、「Parallax」の方は「あら、ヒカルのこと好きだよねこの人」くらいには思うかもしれないね。

そういったクレジットのある曲も興味深かったのだが、一方で例えば一曲目の「Work」の歌詞の乗せ方がヒカルの『ともだち』っぽくもあったりして、あれ?なりくんって『ともだち』ではバックコーラスだけじゃないの?もしかして作詞にも絡んでた?或いは逆に今回ヒカルは他の曲にも絡んでるけど「クレジットするほどでもないでしょ」って名前乗ってないケースもある?なんていろいろ邪推したくもなった。好き嫌いは別として、この「Strides」、「ヒカルっぽさをさがしてみる」のを目的に聴いてみてもよろしいんじゃないでしょーかね。

でもなぁ、Kuma Changの故郷なんだよねぇ…

「中国の資生堂キャンペーンで宇多田ヒカルが大フィーチャーされている」旨のツイートが流れてきてまして。なんでも中国本土独自商品である“Vital Perfection"とかいうののプロモートなんだとか。ヒカルがアルバム発売した時の渋谷並みいやそれ以上に至る所にヒカルのご尊顔が飾られていますな。

現在のアンバサダーのうちアジア人であるヒカルがフィーチャーされるのは自然な流れ、なのだろう。隣国の有名人ということもあるし。だが、あたしゃこれ素直に喜んでいいのやらとついつい悩んでしまうタチでして。

香港や台湾でのヒカルの人気はかなりのものらしい、というのは伝え聞くチャート成績で何となくわかる。そもそもマーケットのサイズが小さいというのもあるのだろうが、そういった地域での事情と本土との事情は余りにも違いそうだ。行ったことのある人の意見も聞いてみたいけどね。ご飯の美味しさとかそういうことではなく、商業音楽の扱いという麺、いや面でね。……お前も美味しいもんに惹かれとるやろがい(笑)。

困ったことに、最近の中国からのニュースといえば表現規制強化の話ばかりでね。あたしがそれを嫌っているのは長い読者ならご存知かなと思うが、半世紀前の“文化大革命”の悲惨さを伝え聞くと、あの国にとっての表現規制とは要は命の奪い合いのことなのだから何一つ洒落にならない。正直申しまして、現地に幾らファンやリスナーが居ようが、一生関わらなくていい国なんじゃないかとまで思ってたりもします。

いや勿論、多くのJpopアーティストたちが公演を成功させてきているので、それはおまいさん心配のし過ぎだろうとは思うのだが、それやるんだったらまず地元(ロンドンとニューヨーク)に力を入れるのが先なんじゃないですかねと。後回しでもいいんじゃないかなーとな。

こういうのって、現地で住んでる人々は普通に暮らしていて、ニュースになるような特異な出来事とは何ら関係なく過ごせてるってのが往々にして真実なんだけど、ヒカルに特に何かをする意志がないのなら、色々とスルーするのが生きてく為には賢明であるような。何しろ世界には「音楽禁止」な国というか政権、政体まであるからね。中国がそういう国になると主張するつもりはさらさらないけれど、歴史を紐解くと、兎に角何一つ侮れないというのが偽らざる心境でな。

まぁこんなこと言ってたら中国語を取り込んだ歌詞とか発表してきちゃったりするかもしれなくて、世の中一寸先は闇だと痛感しちゃったりね。二寸先の明るい未来を信じていけるよう、無体なことは慎重にしといてほしいずらよ。

どちらの曲順がお好み?

ほう、吉高由里子が番宣で情報番組に出演してヒカルの曲がギリギリで完成した風に発言したと。納品完了なのかな。そりゃよござんした。最後の最後まで歌詞を練るのは毎度の事だしな。

常にこういう作り方ならわかりやすいのだけれど、ご存知のように例えば『PINK BLOOD』はどうやら『One Last Kiss』よりも前からある曲らしく、リリース順は必ずしも制作(開始)順と一致しない。

自分の感覚からすれば、曲の作風って時間経過とともになだらかに連続的に変化していくものだと捉えているので、特に意識的な関連性のない楽曲たちを集めて「アルバム」と名乗るのなら、安直に「制作順」で並べて聴いた方がナチュラルなんじゃないかと思ったりもする。

当然それは、作風の流れであって、目の前の音符の流れとは違う。全く関係ない楽曲同士がそのまま素直に繋がるとは限らないので、アルバムに寄せ集めの楽曲を収録する場合はテンポやリズム、キーの遷移などを吟味して曲順を構成するのが、ひとつの作品を提供するスタンスとしてはスタンダードだ。

ただ、それを突き詰めるのなら最初っから組曲として全曲を作った方が全体の流れとしては上手くいくはずだ。そうなるように設計するんだからね。

毎度触れているように、世にある「アルバム」という作品は大概において如何にも中途半端ではある。単なる曲の寄せ集めでもなければ、ひとつのテーマやコンセプトやストーリーに基づく訳でもなく。わざわざコンセプトアルバムという言葉があることからもそれは明白だ。

ヒカルの場合、昔は「曲の寄せ集め」という意識が強かったのか、曲順を決める会議には出席していないようだった。制作を終えて疲労困憊で最後のレコーディングが終わったらさっさと突っ伏してたというのが大きいのかもしれないが、こと最近二作である『Fantôme』と『初恋』に関しては曲順を決めるプロセスにも積極的に関与したらしく。昔とは事情が変わっている。

ここで悩ましいのが、作品をどう捉えるか。リスナーのニーズとして、アルバムの音楽的な流れを重視するのか、それとも、“宇多田ヒカルという人”に興味があるのか。前者であればマスタリングも含めた、言わば作編曲の続きという感覚で挑めそうだが、後者の場合は、先程触れたように「作った順番」で収録するのが賢い。宇多田ヒカルという人の機微の流れをそこから掬い取れるからだ。これは、意図して作られた流れではなく、一曲々々を全身全霊で作ってきた結果として生まれた流れである。 

意識と無意識の違いと言ってもいい。バラバラの楽曲の集まりからパズルのように「こういう流れが作れるからこうしよう」とプランを立ててアルバムを構成するのと、「気がついたらこうなってた」と自然発生的な統一感が生まれてくるのと。どちらがいいのかは、わからない。

言い方を変えれば、舞台裏に興味があるかどうかということもできる。「創る過程」まで楽しもうというかね。美味いもん食った時にレシピを知りたくなる欲求というか。でもま、食べて美味しくてよかった、で完結する事の方が多いかな。次のヒカルのアルバムがどんな曲順で来るか、シングル曲が揃ってくるとますます気になっていくのでした。

『First Love 15th』の時みたいに、普段のオリジナルアルバムでも各曲の制作時期を記してくれれば、自前でその「制作順」のプレイリストを作って楽しむんだけど、できませんかねぇ?

「おっ、きたよ!ミステリアスなひかるが!?」

さてその最愛主題歌だが、TBS系ドラマであることと、最近のシングル曲(という言い方でいいのかよくわかんないよね最近は)の曲調のバリエーションからしてバラードが来るのではと予想はしている。シンプルに、番組側からそういう指名/指定もあったりするだろうし。周りの期待もそっちに行くだろう。

一方で、ここで『Can You Keep A Secret?』みたいな曲調が来ても面白いのかなとも思っている。同曲は20年前、フジテレビ系ドラマ「HERO」でエンディング・テーマ曲となり見事2001年のオリコン年間1位曲に輝いた。未だにヒカルの年間1位曲はこれのみだ。(『Automatic』は「だんご三兄弟」の後塵を拝したし『traveling』は浜崎あゆみのトリプル・A面シングル「H」に及ばなかった) 何しろ「HERO」が初回から最終回まで総て視聴率30%超を記録した掛け値無しのモンスター番組だったもんでその恩恵に与った形というか相乗効果というか。中にはあたしのようにヒカルが主題歌だから観始めたという人も在ったろうから。

ただ、度々触れてきたが、曲調自体はドラマと合っていたかというと疑問があった。勿論、ドラマの内容が刑事ものならぬ“検事”もので、検察側を中心とした謎解きドラマであったから『暗号を君はまだ解読できてない』とか『迷宮入りさせたくないなら』とかの歌詞はしっかりバッチリフィットしているのだが、如何せん服部隆之による明る過ぎる劇伴音楽との作風が違い過ぎてな。50分間あの派手派手なラッパ隊を聴かされた後にしっとりした『Can You Keep A Secret?』が流れてくるとのは空気が違った。年間1位曲で今更評価も変わらないだろうから気楽に言うてますよ今。

そんなだったので、今回殺人事件を扱うサスペンスものということで、ああいうしっとりしたミステリアスな曲調で来てくれてもいいのかな、なんて。他で言えば『Letters』とかね。ベン・パーカーJr.がアコースティックとエレクトリックの両方でギターを弾いていてくれるのを期待したくなるヤツ。

で、ドラマには津田健次郎も出てんのね。ついこの間まで「不滅のあなたへ」で「あの黒いヤツ」の役をやっていた彼、ミステリアスな役柄がハマり役というイメージを持っているんだが、そのツダケンの語り口に導かれてヒカルの曲が流れ出してくるというのならそれこそ『Can You Keep A Secret?』みたいなイントロや曲調がハマるっしょ。嗚呼、実現しねーかなこういうの。

勿論流石にもう提供曲は完成しているだろうからこんな妄想は益体が無いんだが……って言おうとしたんだけどそういや過去には例えば「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP」に出来たてホヤホヤ、完パケしてから24時間経っていない『Wait & See 〜リスク』のプロモーション・ビデオを納品即日オンエアしたことなんかもあったので、実はまだ出来てない可能性も……あったりする? ドラマの出演者や関係者のコメントで「もう歌聴いてるなこいつは……」と思わせる発言した人は居たのかな? ちゃんとチェックできてねーなそこ……。

まぁ兎に角、ヒカルはラブストーリー側へのバラード曲を書ける一方で、サスペンス側にミステリアスな楽曲も書けるんだよという話なんですよ。なので、バラード曲という大方の予想を外してくるならそういう『Can You Keep A Secret?』みたいな曲調に期待したいなという話でしたとさ。

最愛まであと4日

「最愛」第1回放送日まであと4日。それ即ち宇多田ヒカル新曲解禁まであと4日である。後世の人たちに「宇多田の新曲リアルタイムで遭遇できてんだぞー」とマウントをとって差し上げたい。誰も見とらんか。そうか。

しかし妙なことになりそうだ。今日が最終日の名古屋でのエキジビションでは結局『Find Love』試聴の報告は聞けずじまい。やはり、当たり前だが、正式な配信が始まってからのハイレゾ披露になるんだろうな。結局我々は公式からのWebでの発信を待つことになる。で、このままだと次の最愛主題歌が先にお目見えする訳で。勿論即日配信は確約されてはいないので、『Find Love』と同じ状況の曲、即ちタイアップ状態の、他の音声が混ざりあったものを延々聴き続けるケースがもう一個増えることになるかもしれない、ということだ。

そういう音ばっか聴いてると、いざ本格配信を受け取った時に「あれ?音が足りないぞ?」ってなるんだよねぇ本末転倒なことに。入ってくるはずのナレーションが聞こえてこない、ここで被さる主人公のセリフがインサートされない。なんだか寂しい。あれだけ邪魔だ邪魔だと思っていたのに……。

そうなるのは昔からで、配信の始まる前まではラジオオンエアが最速だったりしたからCDが出るまではラジオの録音を何度も聴き直すのが常だった。その為、「あれ?ここでフェイドアウトしてDJさんが曲紹介をするはずじゃ……?」っていう謎の肩透かしをCD購入時に食らうことになったりしてね。あの頃はCDを買う頃には新曲を聴き慣れているというよくわからないリズムであったな。ストリーミングが始まる前は「発売日が新曲プロモ最終日」みたいな雰囲気すらあった。「初動が全て」みたいなね。今は様変わりしたね。チャートには2020年の曲がまだまだ居座っていたり。昔の全米チャートみたいになっとる。

配信文化の先駆けともなった着うた時代には、例えば2007年の『Flavor Of Life』はドラマ開始日当日から配信が始まっていた筈だ。筈だというのは、確か自分はニュースだけ受け取って結局聴けたのはその日の夜のドラマ放送時だったからなんだが、今は配信タイミングのノウハウも周知されているからドラマが始まる前の配信はほぼ無いだろうと思われる。そりゃま、プレミア公開を放送時に設定した方が視聴率取れるもんね。問題は、そのあとどのタイミングで配信を始めるか、だわな。

そこらへんは主題歌の歌詞とドラマでの使われ方が関わってくるから何とも言えないが、ひとまず、ヒカルの場合は暫く待ってからの配信になるかと思うので、先程述べた通り、「『Find Love』状態の曲がまた増える」のが今週末になるかなと。そうならないとすると、それに合わせる形で『Find Love』の配信を始める事になるんだが流石にそんな情報の錯綜しそうなプロモーションはしないだろう。現時点でさえ、新情報が最愛主題歌の話なのか『Find Love』の話なのか俄には判別できてないというのに、これ以上こんぐらがることをされてもねぇ。

そうであってもやはり『Find Love』の配信が万が一始まったとしたらそれはそれで嬉しいのでやってくだすって全然構わなくってよ☆ 今週はこういうテンションからのスタートですわね。