無意識日記々

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中毒

AKB48の新曲が初週売上でAddicted To Youの数値を上回ったんだとか。凄いねぇ。投票券(権)付きとかで複数枚買う人も居るらしいが、そんなにお金を出したくなる位熱狂できるものがあるってのはなかなかあるもんじゃないだろう。

俗にAKB商法と言われている(のか?)握手券や投票券を同梱したやり方は一部で評判が頗るよくないが、今まではなかなか数値化されてこなかった"熱中度の深さ"みたいなものを目で見える形で伝えてくれているという点は画期的だと思う。

元々、アディクの100万枚だって別に音楽が評価されてあの数字になったからではなく、社会現象になって話題性が高かったからだ。もし音楽そのもので判断されて枚数が出るんなら今あの新曲(というには随分時間が経ったが)5曲を擁するSC2が未だ44万枚しか売れていないのはおかしい。あと数百万人はどこに行った? 大半が音楽性の変化で興味を失って離れていったのだろうか。違うだろう。話題性が減ったからだ。

ならば、今AKB48の売上数値がアディクを上回ったのは、それこそ数字通りに受け取るべきだ。寧ろ、個々の"熱心度"を数値に換算して計れるようになったのだから今はじき出されている数字の方が情報として豊かである可能性もある。CD全体の売上が落ちているのだから尚更だ。

勿論、現時点でそうであるように、音楽的な評価でAKB48が宇多田を上回ることはないだろう。そういうことならそもそも売上枚数で音楽的評価を測ろうという発想自体がおかしい。本来「ある程度目安や参考になるかもしれない」というものなのだから、今、AKB48がその"旬"ぶりを数値に反映させている事を気にとめる必要はない。世間話で「AKBが宇多田超えたんだってね〜」といわれて悔しいかもしれないが、事実現時点で話題性で負けているのだから悔しい事態なのだ。そのまま悔しがろう。複数枚購入がどうのとか音楽性がどうのとか、負け惜しみですわ。

根本的に、数字で音楽を評価するという態度は間違っているのだ。しかし、何か目安となるものがないとどう音楽と向き合えばいいか、どう音楽と出会えばいいかわからない。私も雑誌やWebでアルバムに点数をつけてもらえると非常に参考になって有り難いし。結局曲を聴いて自分がどう、何を感じるかが肝心だというのなら、いったん世間に溢れるいろんな情報から切り離れてみることが必要だろう。それを忘れると、AKBをあしざまにいう事態になる。自分を見失わない事である。