無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

カラオケで"恋の"で検索すると、

恋のバカンスや恋のダンスサイトに混じって「こいのぼり」がヒットするんだよね―っていうのは誰のネタだったかな。それはさておき。

小さい頃から、どうしてこうも邦楽の歌詞というのはラブソングばかりなのだろう、と疑問に思い続けてきた。昔も今もそんなに変わっていない。応援歌、というジャンルが若干広がったかな? でも、驚くほど恋の歌ばかりである。勿論、辺境に目を向ければ様々な歌詞があるのだが、チャートの上の方には殆ど来ない。

そもそも、こんなジャンルは有り得ない。テレビも書籍も映画もゲームも何もかもあらゆるストーリー、時代背景、地域、登場人物を網羅している。音楽だけ、やたら偏狭なのだ。よくもまぁ今までやってこれたものである。

基本的に、恋愛に興味のある層というのは、相対的には多いが総体的にはさほどでもない。昔キャンシーを主題歌にしてくれたドラマ「HERO」は、当時私の周りにも見ている人間が何人も居たが、きいてみると「キムタクと松たか子なのに恋愛ドラマじゃなかった」から見始めたんだと。確かに恋愛ドラマは一定の視聴率を見込めるが、そういうのに興味のない層までとりこんだお陰で高視聴率を獲得したのだ。(と言い切ってはみましたがロンバケやラブジェネやら何やら高視聴率恋愛ドラマは色々ありましたなぁ…まぁそれはさておく)

つまり、邦楽って損してるんじゃないの?ってことを云いたい。もっと様々なテーマを扱った歌がチャートを賑わせれば多様な層を取りこめて全体のパイが増えるのではないか。今のまんまでは、若くて恋愛に興味のある時期にしか歌詞がリアルに響いてこないのでは。

いちばん大きいのは、歌を聴く、歌うといったときにラブソング以外に対してどんな態度を取ればいいかという"習慣"が身に付いていないことだろう。歌を聴くとなったら僕と君、貴方と私の世界を無意識下でもう想定してしまっている。これは本当に根が深く、数十年単位ではどうしようもないんじゃないかと推測する。

…と、ここまで書いてきておいて全部ひっくり返してしまうが、私は光にはとことん恋愛をテーマにした、或いは恋愛の体裁をとった歌詞世界でいってほしいと思っている。理由はSimple (And Dirty ?)、私が彼女に抱いている感情が恋心だからだ。光がラブソングを歌い続けてくれるのは即ち幸せである。陰陽座には妖怪が魑魅魍魎な歌詞世界を貫いて欲しいし(次作はコンセプトアルバムということで楽しみだ!)、LIV MOONには宝塚ちっくな世界を極めて欲しいのと同様に、光には恋の歌を追求し続けて欲しい。シーンの中での立場とか実績とかキャリアとか影響力とかいった社会的要請を一切斟酌しない。極々私的な私の感情に基づいた願望である。

結婚したあとも変わらず恋の歌を歌い続けたのはいいとして、子供を授かるとか養子を育てるとかいうフェイズに光が入った暁にも、やはり今までどおり恋の歌を歌い続けてくれるのか、その点はやっぱり気になるのだが、こればっかりはその時になってみないことにはわからないよねぇ。