無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

名義が変わるだけ、かな

週末はEMI本家の売却話がニュースになっていた。が、現時点ではアーティストへの影響といっても「未定」としか答えられない。

企業買収は、アパートやテナントの大家さんが入れ替わるようなものだ。人によってはただ名義が変わるだけで今まで通りかもしれないし、人によっては建物を建て替えてみるかもしれない。今はまだわからない。

ただ、音楽業界的には非常に規模の大きい買収な為、人員整理を除けば、機構自体を大きく変えてくる事はないだろう。今あるシステムやコンテンツを利用しないならば買収の意味はないからだ。重複する事業の整理等で収益率を上げる程度だろう。

アーティストレベルでの影響も、宇多田ヒカルレベルになれば、ほぼないとみていいだろう。契約の当落線上にある場合は気が気でないのだろうが、宇多田レベルを手放すとなるとEMIJapanの存続に関わり、買収による名義変更とは較べものにならない影響を及ぼす。

アーティストは、会社云々という前にレーベルに対して自身の活動に対する理解と支援を求める。その判断は多分に属人的なものであり、仮にある人員を手離す事で宇多田がレーベルを離れるような可能性があるのなら、そんな有能な人物を切るようなバカな真似はしてこない。まぁ人事担当の人がバカな場合はこの限りではないが。

したがって、買収元の名にユニバーサルミュージックとあるからといって神経質になる必要はない。極力、現在ある"宇多田チーム"みたいなもんは現状維持がはかられるだろう。その点、ユニバーサルとの契約が終了した事は逆に幸運だった。重複する事業の合併或いは買収の場合、人員削減が行われるのは買う方も買われる方も同じだからだ。今までのUtaDAの発言力からすれば、今回の買収でいちばん危なっかしかったのは恐らくUtaDAの立場だったろうが、今はUtaDAの契約はもうない。よくも悪くも影響はの限定的なものだろう。

出版契約が別会社になる点も大した意味はない。日本でいう独占禁止法を避ける為であって、本質的な違いはないからだ。情報が少ないから何ともいえないが、宇多田の出版契約についても恐らく"信頼できる人間関係があったから"とかそんな理由で扱われている気配がある。今後もそれは変わらないだろう。尤も、今後は誰が目を付けてくるかはわからない。

総体的にみて、EMIブランドの大きい地区ではレーベル名としてEMIの名は残していくのではと思われるので、ヒカルへの影響といえば商品番号の変化位の話だと思われる。どうしても買収というと企業名ばかりが取り沙汰されてしまいがちだが、実際に現場で仕事するのは個々の人間である。冗談でも何でもなく、宇多田ヒカルとファンにとって影響が大きいのはEMIの買収話なんかではなく、梶さんはいつになったら結婚するのだろう、とかそういった点なのである。卑近な人の生活の変化の方が、直接の仕事に影響するもんじゃないかなぁ。特にミュージシャンって職業だとね。