無意識日記々

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余計なお世話だな

私による宇多田ヒカルの作曲者としての評価は、SC2に至る時点で、レノン/マッカートニーのコンビには及ばないものの、ジョンかポールかどちらかひとり分だけなら、そろそろ同等に近い所まで来たんじゃないかという位―という話は今までに何度もしてきた通りだ。

Wild Lifeでは、日付の事も相俟ってその御大のAcross The Universeが歌われたが、楽曲の力としてはその次に歌われたCan't Wait 'Til Christmasの方が完全に上回っていたように思う。そんなんお前の好みの話だろと言ってしまえばそれまでだが、半世紀生き残ってきた名曲と二週間前にリリースされた曲の比較でその"クラシックさ"(古典となりうる度合い)で優っていると1人でも感じさせたのは凄いと思う。

実際、圧倒的な歌唱力で聴衆を魅了したHymn a L'Amourですら、楽曲としては弱かった。これも何度も書いてきた通り、シャンソンという歌のいちジャンルを代表する楽曲ですらこれである。ヒカルの作曲能力は今現在桁外れだと言っていい。いやもちろん、私の耳からすれば、の話なのですけど。そういう前提で毎回書いていると思ってもらえてれば有り難い。

作詞に関しては、日本語に限っていえば日本史上最高の使い手だろう。キプトラの歌詞を1ヶ月眺めてきただけでも、阿呆みたいな精密さを誇っている事は見てとれた筈である。作曲と違い、精密さをある程度定量的に推し量れる作詞の方が評価はし易いかもしれない。勿論、精密さなんて詞の魅力の一部でしかないのだがそこだけでも傑出しているのならそれはそれで評価できるだろう。

あとは、、、編曲者としてはまだまだやれる事は沢山ある。プロデューサーとしては、これがいちばん評価が難儀な仕事だが、多分まだまだ発展途上だろう。映像の監督としては一応まだPV一本撮っただけだが、その一本が12年の歴史の中でも屈指の出来映えとなれば今後に期待せずにはいられない。

ライブ・パフォーマーとしては、歌はIn The FleshからWild Lifeを顧みるにほぼ満点に近い出来といえる。今後は、そこから120点のものがまだあるのか加齢とともに衰えるのか、こちらは期待と不安が半々といったところか。歌以外の、MCをはじめとした様々な要素はこれから幾らでも改善できるだろう。この点は楽しみだ。

被写体としては、基本的に童顔な為あと10年は大丈夫だろう。特に20代をかなりインドアに過ごした為お肌が疲弊していないのはデカい。これからもフォトジェニックに我々の眼に幸福を振り撒いてくれるだろう。寧ろ被写体としてだけでなく、写真の撮影者としてのセンスにも期待したい。メッセでの自分撮り等、センスと才能は既に備えているとみた。

あとは、、、掃除は昔から得意だし料理も随分覚えた。ゲーマーとしてはテトリスを余裕でカンストさせる達人だし足も速いらしいし泳ぎも得意だ。自転車で曲がれるようになっている事も期待される。自動車の運転に関しては、ファンとしては自分ではしないで欲しいというのが願いなのでこのまま関わらずに生きていって欲しい。

あとは、ウェイトレス役くらいしかやってないが、女優業はどうだろうな。こればっかりは未知数だ。どうなるかわからない。

あとは、絵も巧いし4コマ漫画も面白いし着ぐるみは着れるしで相変わらず才能の塊なのだが、ただひとつ、捲土重来・リヴェンジ・逆襲を誓って欲しいジャンルがひとつだけある。声優業だ。こればっかりは、評価という点で失敗だった。私は好きなのだが宇多田ヒカルピノコといえば世間一般ではお笑い草なのである。実に悔しい。いつか人間活動が明けた暁には、是非ともまた声優業にチャレンジして周囲を見返して・見直されてもらいたいものである。もっとも、光本人が「二度とやるか」と頑なになっているかもしれないけれど。だからこそ、このキャリアの汚点を、失策を、トラウマを何とか拭い去って欲しいのである。


…余計なお世話か。

(それが言いたいが為だけの長い長い前振りだったのでした。ちゃんちゃん。)