無意識日記々

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"Perfume Death !"にならぬよう

Perfumeがユニバーサルに移籍するそうな。海外展開するには徳間は確かに相対的にみて不向きだから妥当な選択だとは思うが、UtaDAが同じくユニバーサルと契約してどうなったかを見てきた身からすれば、まずは静観かなという雰囲気だ。

Perfume宇多田ヒカルのファン層はかなり重なる…というか、あらゆるアーティストのファン層と重なっているのがPerfumeの特徴だ。いやアーティストのみならずアイドルカテゴリーとしても扱われてきた。その裾野の広さが圧倒的な強みである。

何故彼女達がここまで支持を得たのか。もう散々語り尽くされてきたので新しく言い添える事はないのだが、私なりの言葉で表現するならば彼女達は「夢のない時代に夢を見させ続けてきてくれた」から老若男女から愛されてきたのではないかと思うのだ。小学生の頃から長年頑張って…というサクセスストーリー。アメリカンドリームならぬジャパニーズドリームといった所か。夢じゃなくて愛を見せてと歌うヒカルとはかなり立ち位置が異なる。真逆といってもいい。といっても普通の人間には愛も夢も程々に必要だから両方のファンになるのは寧ろ補完的で自然なことだろう。

ここまで夢を見させ続けてきたのだから次は海外展開に移るのは必定だ。あとはそれをどこまで繰り広げるかだが、我々が見てきたように、レコード会社の選択、もっといえば、Perfumeに熱心になってくれる人を見つけられるかどうかが鍵になる。どこに所属するかというより誰と仕事をするか。あまり"ユニバーサル"という看板を気にし過ぎない方がいい。

UtaDAの世界展開、或いは米国での活動についてはWeb上では非冷静な声ばかり聞こえてきて評価が難しい。とりあえず纏めると、2004年のEXODUSではアルバムは制作したものの殆どプロモーションが為されず、評価される前に存在を知られる事がなかった。これはレコード会社のトップが2002年の契約時と入れ替わった為プライオリティが変化した為だと考えられている。兎に角、EXODUSの結果で「日本人は、或いは宇多田ヒカルは海外では通用しない」と結論するのは暴論というか無意味であろう。

一転、2009年のThis Is The Oneではそこそこ積極的なプロモーション活動を展開、ラジオオンエアもそれなりに獲得した。結果iTunesStoreで18位、ピルボードで69位という数字を残す。リリースデイトが分散してしまった為やや最終順位は低めなものの、ツアーを一度もやったことがなければ何のファンベースもコネクションもないミュージシャンとしては上々の滑り出しだった。新人である以上ここからが勝負だったのだが残念ながら今度はここで本人がリタイアしてしまい、数字の動きはここで止まった。

要はUtaDAに関してはプロモーションの量に比例した成功を収めただけであり、それ以上でもそれ以下でもない。実力的にはいつ1位をとっても不思議ではないのだから適切な宣伝をすれば結果はついてくるのである。

Perfumeに関してはこの点が未知数な為、果たしてヤスタカ氏にどれくらいの引き出しがあるかが気になる所だが、私はよく知らないのでコメントできない。ただ言えるのは、日本人だからといって云々というのはUtaDAを見る限り関係ないという事だ。成功を祈りたい。尤も、英語力だけは流石に必要な気がするし、光はその点何の心配もなかったんだけれどね。