無意識日記々

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まだまだ前フリ

朝起きたら元DEEP PURPLEジョン・ロードが亡くなっていたでござる。R.I.P.

こういう記事読む度に誤報であってくれたらなぁ、と思うんだけどね。やれやれ。

彼は特に日本人の間では有名な人だろう。一言でいえばハードロック・キーボーディストの元祖である。他の大御所たち、Led ZeppelinBlack Sabbathといったバンドには鍵盤奏者が居なかった為、オルガンサウンドをフィーチャしたDeep Purpleは異彩を放っていた。いちばんのヒット曲であるSmoke On The Waterはギター主導の楽曲だが、Highway StarやBurn(タマホームのCM曲ね)等では流麗なキーボードソロを聴く事ができる。

先述のSmoke On The Waterがヒットしたアメリカでは彼の影響力はさして強くない。ハードロックバンドに鍵盤奏者を置く布陣がそもそも主流にならなかった。どちらかといえばプログレッシブロックアメリカンプログレハードの流れから鍵盤奏者を置く傾向が強かったのかもしれない。

一方、欧州、特に北欧ではDeep Purpleの影響は絶大で、イングヴェイ・マルムスティーンやEuropeといったスウェーデンの先駆者たちは大胆にキーボードサウンドを導入。明らかにそれはジョンロードの存在なくしてはありえないものだった。特にEuropeのFinal CountdownのキーボードリフはVan HalenのJumpと並んで史上最も有名なキーボードフレーズとして人々の記憶に残っている。

他の北欧諸国でも事情は同じだった。デンマークノルウェー、そしてフィンランドである。なかでもフィンランドはよりへヴィなサウンドにおいてもキーボードサウンドを導入する点が目を引いた。90年代初頭には後に欧州全域を引っ張る存在になるStratovariusもデビュー。最も獰猛で醜悪なデスメタルのジャンルにすらキーボードを擁するバンドが増えていく。日本でもまずAMORPHISが1995年に国内盤デビュー、1997年にはかのChildren of Bodomが頭角を表す。彼らは米国市場においても勢力を拡大し、全米22位まで上り詰める。一方同じくフィンランドからはヴィレ・ヴァロ率いるラブメタルの権化HIMが登場、こちらは更に上位の全米12位まで上昇、フィンランドのバンドとしては初めてアメリカでゴールドディスクを獲得した。

なにが言いたかったかといえば、日本に較べて人工が数十分の一のフィンランドという小国でも、こと全米チャートへの進出という点では日本よりずっと先を言っている、という話である。続きはまた次回。