無意識日記々

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フィンランド昔より人口増えた?

フィンランドは人口530万の小国でありながら、前回紹介したようにHIMやChildren Of Bodomといった若手(でもないな、もうな)が全米チャートの上位に進出できる。1億2000万人以上人口の在る日本と比較して歴然とした差がある。

今回ヒカルが拾ってくれたYoutube動画で聞いてもわかるとおりフィンランド語はそんなに英語と発音の似た言語ではなく、あまり音声言語上のアドバンテージはない。が、どうやら英語を話せる割合は日本より遥かに高いようだ。教育の賜物か。

しかし何よりいちばん大きいのは、国をあげて音楽を支援している事だ。530万人の国が外国で数万枚、数十万枚の単位でレコードを売り上げるとそれはもう立派な"外貨獲得"なのである。フィンランドという国にとって、音楽は重要な"輸出商品"なのだ。この点が日本とは大きく異なる。

その"国をあげて"という側面は日本に居ても肌で感じる事が出来る。なんといってもかの国は、というかフィンランド大使館は、毎年日本で"フィンランド・フェスティバル"通称"フィンフェス"を開催しているのだから。これは、非常に安いチケットでフィンランドで現在売り出し中の若手ミュージシャンを幾つかいちどに見られるフィンランド大使館主導のショウケースギグなのだ。集客力の関係でいつの間にかメタル系のバンドばかり呼ぶようになり若干当初の主旨とは異なってきてはいるものの、この自国の若手支援は継続している。

国がこうやって文化を大事にする。商品として売り出そうと積極的になる。これはとてもよい事である。

逆から考えてみれば、これが如何に素晴らしいか、如何に日本では難しいかがわかる筈だ。Utadaが米国からデビューしようとした時、日本国政府は、日本国大使館は何をしただろうか。何かしてくれただろうか。まぁ勿論何かをしようとしてきたら本人もファンも丁重にお断りしていた気がするが、もし日本から音楽を"輸出"できたら、と誰か考えなかったのだろうか。まぁ、何か夢物語にしか聞こえないよな。しかしフィンランドという国はそれを実行に移しているのだ。

国の支援、というのは金銭的な優位の話ではない。寧ろそれ自体はマイナスかもしれない。(大抵補助金漬けというのは以下略) それよりもメリットが大きいのは"ミュージシャンをやっていていいんだ"という「雰囲気作り」だ。若者が誇りをもって音楽に携われる状況と環境が整っているからこそ、こうやって自国の音楽を世界に向けて発信できているのである。

でもまぁ。フィンランドのミュージシャンのインタビューを読むと決まってこんなセリフが出てくる。「何でこんなメランコリックなメロディーが出てくるかって? そりゃお前、あの国はずっと居るとどんどん陰鬱な気分になってしまいにゃ自殺したくなってくるからな。特に冬は白夜で全く陽が射さない。あんな所に住んでたらメロディーも自然とメランコリックなものになるってばよ」そういうお国柄らしい。

とすると、あの「Kuuuuma!(熱い!)」という彼らの叫びは、相当魂のこもったものなんじゃないかねぇ。どうだろうヒカルさん?