無意識日記々

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トニー・マンスフィールド/ Tony Mansfield

日曜日に録音しておいたNHK-FMの「今日も一日"ブリティッシュ・ロック"三昧」を今聴いているのだが、途中で音楽プロデューサー、トニー・マンスフィールドのコーナーがあった。ロックについては博識で知られる高市アナウンサーの反応からすると、あまり日本での知名度はないようだ。斯く言う私も、高橋幸宏をはじめとして日本人アーティストを手掛けたりもしている為彼がどういうサウンドを作る人なのか位は知っていたのだが、こうやって纏めて音源に触れるのは初めてである。少し乗り出して耳を傾けた。

するとこれが実にいいのである。かかったのは彼自身が在籍していたNew Musik、The Damnedのキャプテン・センシブルのソロ・アルバム、そしてマリ・ウィルソンだったのだが、こうやって並べて聴くと如何にトニーのセンスが全編に渡って発揮されているかがよくわかった。

しかし、ではどこがどう特徴的で、何が秀でているのかという説明が実に難しい。解説の和久井光司氏は「打ち込みとナマのサウンドの絶妙のコラボレーション」「打ち込みなのになぜか清涼感のあるサウンド」等々と形容していて、それは確かによくわかるのだが今ではそんな音楽やまほどある。この、何の変哲もないアレンジのどこがそんなに魅力的なのか、私にはさっぱりわからない。

しかし、ひとつ言える事があって。私が何かの曲を"こんな風に"好きになった時には、かなり高い確率で光もこのサウンドが好きなのだ。いやいや、「私が好きになるものは光もきっと好きになる」だなんて傲慢な事を言っているのではない。「私が"こう"好きになった時は光もきっと好きになる」という感覚の経験則の話なのだ。具体的にはCocteau TwinsやBlue Nileである。

しかし、これはいい。こうまでお気に入りになるからには、今までの光の音楽体験遍歴の中で、きっとどこかトニーと繋がりがある筈だ、そう考えた私は色々と検索してみた。すると、若干こじつけ気味だがありましたよ。何と、私も知らなかったのだがこのトニー・マンスフィールド、a-haの"Take On Me"のプロデューサーだったのだ。そう、ボヘサマでヒカルがカバーしたあの曲である。

…とはいうものの、この"Take On Me"にはバージョンが2つあって、トニーがプロデュースしたのは1984年のバージョン。世界的に大ヒットしたのは1985年のバージョンで、こちらは違う人のプロデュース。ヒカルの歌ったのもこちらのバージョンだったのではなかろうか。うーん、惜しい。ニアミス。

もっと何かないかと検索を続けたが芳しいものはなく、日本語ページは諦めて欧文検索をしてみた。当然まずは英語版Wikipediaにあたる訳だが、彼のプロフィールを読んで私は思わず噴いた。

―― Tony Mansfield ( born 19 January 1955... London )

何と彼は1955年1月19日生まれ。光と同じ誕生日だったのである。「音楽と関係ないがな!」 さっきまで躍起になって光とトニーの繋がりを探っていた私は急に力が抜けた。こういうオチをゲットする為に一生懸命になっていたのか…苦笑するしかない。

冗談みたいな話で終わってしまったが、しかし真面目な話彼の打ち込みサウンドはヒカルと相性抜群なように思う、というか光は必ず気に入る筈だ。折角なのでここは、「将来いつか必ずトニー・マンスフィールド宇多田ヒカルの曲をリミックスする」と予言して今夜のエントリーをしめる事としよう。それにしても誕生日オチとは全く私らしいったらありゃしない。あは。