無意識日記々

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習慣化

アマゾンKindleが早速端末を値下げしたそうな。これは予約が好調だから余裕が出てきたのか余り売れてない為のカンフル剤なのか、わからない。アマゾンがどこで利益を出しているかの構造を知らないと推察のしようがないし、私はそれを知らない。兎に角この分野は毎年「元年」をうたい続けてきた。このままずっと紀元前、という事も有り得る。要はコンテンツ次第だが、ここはSonyiTunes Store参入の影響がどうなるかが試金石となるかもしれない。

流石にこれだけの品揃えとなると音楽配信といえばiTS、という流れになる筈だ。まぁもう十分そうだったけれど、Sonyの擁するアーティストの多彩さを鑑みるとトドメの一撃という感じ。裏を返せば、これで音楽配信購入が習慣にならない人はこれからもならないんじゃないかという事なのだ。試金石とはそういう意味である。実際の、日本での音楽配信市場規模が、これによってはかられる訳だ。

音楽配信で購入しない層は、じゃあこれからもCDを買い続けるかというと、さぁねぇ。習慣の問題なので、売ってなくなったら買わなくなるだけじゃないのかと。

習慣の問題。鍵はここにある。アマゾンKindleに限らず、あらゆる電子書籍端末にとっていちばん重要なのは「本は電子書籍端末で読むものだ」という習慣を皆に植え付ける事だ。「そういうもんだ」と思わせられれば勝ちである。そこまで行くのが難しい。

ヒカルの場合、弱点があるとすればこの、「習慣」というものに組み入れられていない事である。12年間を振り返ってみると、仕事の密度は大したもんだがいつも待たされていた印象の方が強い。これも、「いつ何が始まるかわからない」という未来に対する不定性が強い為だ。レコード契約が基本的に"無期"というのは、普通はありえないのだから。

ヒカルの場合その状況を逆手にとって、できるだけ"宇多田ヒカルのファン"より"曲ごとのファン"を増やす方向に進化してきた。音源購入の習慣化を促す事なくその都度是々非々で勝負を仕掛けてくるチャレンジングな姿勢はいつみても感服するが、習慣化されていれば引き止められたかもしれないファンの存在を思うともったいないなぁ、とも思う。でもまぁ、ここの読者だったらヒカルを聴く事はある意味習慣化されているからあんま関係ないか。お陰でいつも渇望に身を委ねる事になるんだけど。