無意識日記々

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ファン層の推移の判定基準

ベテランになればなるほどファンからの期待とアーティストの創造性との間にズレが生じてくる、という話を先日した。音楽を「客商売」と割り切って進めるならそんなに悩まない(&悩むなら別の問題で)のかもしれないが、ヒカルがそういう体質でない事は周知の通り。多分、これからずっと悩ましい。

ひとつの判断基準は音源の発表方法だ。どの媒体を使ってくるか。

配信限定シングルといえばThis Is Loveが最初だったかな。これは、CDで音楽を聴いている人にとっては"切り捨て"にあたる。この時はアルバム発売直前シングルカットという扱いだったのでまもなくアルバムが発売になり音源のCDが手に入ったからそんなに不満も大きくなかっただろう。

Eternally Drama Mixも配信限定シングルだったが、これはリミックスという事でそこまでメクジラは立てられなかったように思う。CD音源を聴きたければコンピレーションを買え、というのは些か酷な気もするけれど…。

桜流しは、まっさらな新曲である。ここでCDシングルが発売されなかった事は大きい。今度は本当ににCDのみ購入層の切り捨てである。勿論、CD層の殆どがDVDを持っているだろう、という見立ては間違いではないし、戦略上も間違ってはいないと思うが、売る側の意識として市場の世代が推移しているなという実感はあるだろう。確かに、CDシングルを発売する事によって新たにつなぎ止められる層も在るのだろうが、恐らくその数は数千人単位といったところだという見積もりではないだろうか。35万DLだか50万DLだかのスケールに対して1%以下という事になれば、確かに商売上手を出す必要はないのかもしれない。DVDシングル購入層の2,3万人も、その多くが配信で先に手に入れていた筈である。

こういった感じに、発表媒体の推移を通してファン層の見極めを常時行っていかねばならない。アーティストは、それを横目に創作活動に勤しむ訳だが…話の続きはまた次回だな。