無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

ライブ・バージョンとライブ・コンサートと

そういや今回の熊淡、妙に英語噛んでた/言い直しが多かった気がするんだが何でだったんだろうな…気になる…

…考えても仕方がないか。今回はライブ特集、と言っても、ちょっとよく考えてみないといけない。ラジオでライブ・バージョンを流してそれを聴く。オリジナル・バージョンと何が違うのか。

細かい話だが厳密に分けなければならない点がひとつある。それは、実際にライブで披露されたプレイ自体に独自の魅力がある、というケースと、ライブ・アルバムに施されたミックスがオリジナルと際立って違っていたケースと、だ。

ちょっと難解なのだが、ライブアルバムといえど、別に会場にマイクを立ててそれでプレイの音を拾って録音して作品を作っている訳ではない。クラシックのコンサートはそうかもしれないが、ロック等PAを使うコンサートの実況録音盤は、ライン入力音源を使用している場合が多い。何が言いたいかというと、確かに演奏自体はその日その場で披露されたものかもしれないが、それが実際に会場に鳴り響いたサウンドかどうかは別である、という事だ。

この点を踏まえると、例えば照實さんがリクエストしたステレオフォニックスの曲は、オリジナルは特に好きではないがライブ・バージョンの方は、という感想になる理由が、単にミックス/サウンド・プロダクションが違うから、というだけの事だったりするかもしれない。例えば同曲であれば、オリジナルでは引っ込んでいたギターサウンドがこのバージョンでは前面に押し出されていてやたらカッコいい、となっているかもしれない、なんていう話。

要約すると、つまり、ラジオでかかるCD音源の"ライブバージョン"という存在は、それが本当にライブ・コンサートのサウンドを伝えているかというと、必ずしもそうではないし、従って、ライブバージョンが好きだからといって、その実際のライブも好きになるとは限らない、即ち、ライブの実況録音盤と実際のライブは別物だという話である。そして、今回の熊淡は、CDに収録されている"ライブバージョン"の特集であって、照實さんやHikaruが実際にライブを観て気に入ったバンドを特集している訳ではない、というところを強調しておきたい。(照實さんがナマのステレオフォニックスを観た事がない保証もないがな) あクマで、CDに入っている音を気に入ったかどうかが主眼となる。

だから、例えば、Hikaruはレッド・ツェッペリンジョン・レノンも観た事がない。しかし、こうやって、今の時代に実況録音盤を聴く事が出来るから、それについて語る訳だ。実際に観たライブを思い出しながら浸っているのとはちと意味が違うのである。

この点を整理してから番組を聴き直すと、Hikaruがそれぞれの曲、それぞれのバージョンが何故好きなのか、といった事がちゃんと区分けされて浮かび上がってくる。些細な差だが、意識しておく事が重要だ。ライブ・アルバム/ライブ・バージョンというのはそれだけで実際のライブコンサートともオリジナルアルバムとも異なる独自の文化を形成している。Hikaruもそこらへんは深く考えていなかったかもしれないな…流石にそれはないですかねぇ…。