無意識日記々

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ラジオで流れたリマスタリング音源の話

First Love を聴き比べてやっとMFiTの音質の差がわかったような気がする。もう一度聴き比べをしてみないと気のせいなのかもしれないという疑問を払拭できない程度の違いしか見いだせてないし、単独で聴いた時の判別はまず不可能な位の僅かな差しか認知できないから、やっぱり今んとこ買い替えをお勧め出来る立場にない。前も言った通り、Mastered For iTunesを名乗るんだったらipod & iphoneと付属のイヤフォンの組み合わせで聴いた時にわかる位の違いがないといけないと思うんだけどなぁ。

しかし、プラチナSHMやSHM-CDの方は期待出来そうである。円盤の材質の変更による音質の向上に、ではなく、今回の為に施されたリマスタリングという"作業の成果"に対しての期待である。

先日のBayFM「Mind Of Music〜今だから音楽〜」にて、First Loveアルバムからの楽曲がBGMも含めると都合全曲放送された。問い合わせがあったのかもしれない、小島さんが番組の最後に、お送りした楽曲が記念盤からのものである事を明かしてくれた。

ラジオ放送の音質というものは、伝統的にいえばラジオ局によって異なる。もしかしたら番組毎に異なるかもしれない。CDの音源データが電波に変換されるまでの過程が同じ機械で行われている訳ではないからだ。同じく、radiko等のストリーム放送に関しても、パケットになるまでのプロセス次第では音質が異なっているかもしれない。ラジオで曲を聴いて気に入ってCDを買ってみたが思ってたのとサウンドが違っていた、という経験は誰しもあるのではなかろうか。

そういった"ラジオ局効果"を差し引いたとしても、今回放送された音源は一聴して「なんか変わったかもしれない」とリスナーに思わせるだけの違いが感じ取れた。具体的には、ひとつひとつの音の粒の"締まり"がよくなり、音場の広さの感覚が強まり、低音〜中音域の分離も強まった事で、よりヴォーカルの輪郭が掴み易くなっているようだ。Single Collection Vol.1では殊更ヴォーカルを強調してリマスタリングの効果を声高に主張する感じであったが、今回のリマスタリングはもっと落ち着いた、元々の素材のよさを活かした方向に持っていった気がしている。どことなくハイレゾ音源に用いられるマスタリングの方向性にも近い。ハイレゾ向けのリマスターはこれを更に押し進めたものになるのではないかという期待が持てる。

放送中も触れていたように、ヒカルの歌唱の大きな特徴であるエアとブレスを堪能する為には、出来るだけ音の解像度が高い方がいい。また、特にエアは高域に偏った音なので圧縮音源では音量が下がり、微妙な違いが感じ取れずどれも平板に響いてしまう恐れがある。マニアックに彼女の歌唱を味わいたくば、今回のリマスタリング・シリーズの何れか一つには手を出してみるのがいいと思うだろうか。なお、本編に関しては限定盤はプラチナSHM、通常盤はSHM-CDなので、もしかしたらこの2つも別リマスタリングかもしれない。ご注意の程を。