無意識日記々

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ハイレゾとSHM-CD版の聴き比べ

少し書き直した方がよさそうだ。ハイレゾ音源はSHM-CD版とリマスタリングの方向性がほぼ同じ、と書いたが、それはやや正確ではない。寧ろ逆で、SHM-CDリマスタリングが"よりハイレゾ的な"方向に梶を、じゃない(笑)、舵を切られているという印象だ。

私はまだプラチナSHM版は聴いていないので終始SHM-CD版とハイレゾの比較となる。

SHM-CD版で印象的だったのは、ヴォーカルの周りが整理整頓されて、殊更に輪郭を強調しなくても歌がよく聞こえるようになっている点だった。ハイレゾではこの点がより自然に達成されている。

再三述べているように、不思議な事に、16bitから24bitに量子化ビットがあがった事によって解像度が上がり音素の情報量、例えばスネアの叩きムラとかツーバスの左右の足での強さの違い等がCDに較べて更によくわかる、という事はなく、音素の解像度は同じ位なのに、音の鳴っている"背後の空間"が圧倒的に広がるのがハイレゾ音源の特徴である。私が今までみてきたところ。

その為、ヒカルの歌の細かいニュアンスの描写、即ち、今まで言ってきたブレスやエアのバリエーションや、コーラス・ミルフィーユの一層毎の表情の違い等はSHM-CDで十分伝わるのだが、その響く空間、いや、音が消えていく先に在る空間の広さはハイレゾ音源では大きく確保される。

その為、私の場合、SHM-CDを聴いた後にハイレゾ音源を聴く事で、そこで初めて"肩に力を入れて"耳を傾けていた事に気付き、すっと肩の力が抜ける。リラックスして楽しめる"心境の変化"、"心の余裕"を生む、実に不思議な効果である。

そしてそれに似た効果が、オリジナル盤を聴いた後にSHM-CD版を聴いた時にも生じるのだ。つまり、擬似的ではあるが、オリジナル盤に親しんだ身にとって、SHM-CD版は、既に少しハイレゾ的なのである。


…こんな感じなので、果たしてハイレゾ音源をここで強く勧めてよいものか私には迷いが生じている。しかし、卑怯かもしれないが、私は今後First Loveアルバムを聴く際には、殆ど必ずハイレゾ版を選ぶと思う。ある意味、音量が大きく、高音域がソリッドでキラキラギラギラしているSHM-CD版の方が"音がいい"とすら、言えるかもしれない。音の解像度は似たようなものなのだから。ただ、聴いていて楽ちん、という癒し効果は、なかなかに代え難い。もしお金にまだ余裕があり、貴方がハイレゾ対応プレーヤーを持っていて、これから何年にも渡って何度もこのアルバムを聴く機会があるというのなら、やはり私はハイレゾ音源の購入を、控えめにだが勧めさせてうただこうか。何というのだろう、First Loveではこんな感じだが、今後のリマスタリングにおいては、またもっとハイレゾ効果が上がる気がする。今は大体こんな感じです、といったところだろうか。やや曖昧で、すいませんです、ハイ。