無意識日記々

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ハイレゾ話で深い眠りに入れそうw

mora(ハイレゾ音源も扱う配信サイト)のスタッフブログに東京試聴会のレポートが掲載されたという事で早速読ませてもらった。ありがとうございます。

そこに書いてあるように、会場ではSONYによるハイレゾ推しがさらっと展開されていた。ハイレゾ対応最新ウォークマンとともに、総額100万円以上という再生機器が…

…というところ、会場に赴いたファンに対するサービスとしては素晴らしい。実際、私が普段ならパスしていたかもしれない抽選応募をしてまで体験したかったのはその豪華な再生機器だったのだから、もし当選してたら私狂喜乱舞でしたですよ。

しかし、ハイレゾ販促としてはあまり宜しくない。なぜなら、そんな高額なオーディオを揃えられる人たちはもう総て2014年時点ではハイレゾ対応のシステムを購入しているだろうからだ。購入していない人たちはそもそもデジタル音源なんか聴かない、アナログに限る、という感じだったり、いや高解像度ならDSD推しだから、とかなんかもうよくわからない理由だったりなので、販促にはならない訳だ。

販促になりえるのは、勿論ウォークマンの方だろう。こちらなら手を出せる、という人はグッと増える。まぁ、それでもNW-ZX1ならまだ6万円は切らないけれども。F880シリーズやA10シリーズが置いてあったのならそれは立派な販促になるだろう。

しかし…ここでも、セッティングとしては不完全だった。何をアピールしたいか、というポイントによって対処方法は変わるので一概には言えないのだが、ハイレゾ音源の音のよさをアピールしたければ、隣にCDレベルの音源やMP3等の圧縮音源が聴ける同じウォークマンと同じヘッドフォンを置いておくべきだった。それらを比較して漸く、「おぉ、あんなCDより高い値段のするファイルを買って一体どういう意味があるんだと思っていたが、こんなに音が違うのか、これなら、最初っからハイレゾで買った方がいいな。」と思って貰えるのだ。ただハイレゾウォークマンハイレゾ音源をハイレゾ対応ヘッドフォンで聴いても、そこで鳴ってる音の魅力がハイレゾウォークマンによるものなのかハイレゾ音源によるものなのかハイレゾ対応ヘッドフォンによるものなのか、わからない。勿論それを実際に判断する為には何通りも組み合わせを試してみて貰わねばならないが、まずはソフト、ハイレゾ音源の威力を知ってもらって、例えば今の私たちならくまちゃんUSBな
り配信なりでSC1&2ハイレゾリマスタリング音源を購入しようというモチベーションを喚起してもらいたかった訳である。ウォークマンやヘッドフォンを買ってもらうのはその後でもよい。兎に角、今持ってる配信音源やCD音源よりいい音が鳴ると実感して貰うのが先決なのだ。


もっとも、最初に書いた通り試聴会のセッティングは販促というよりは来場者へのサービスだったろうからそれでよかったんだけど。あクマでそれを販促の場としてみた場合の話です。



ついでに、駆け足気味になるが追伸をひとつ。音質にこだわる人は結構重要かな。今回のSC1&2は10年前と5年前の音源の"再"リマスタリングである。そこを踏まえよう。

10年前にSC1がリリースされた時、リマスタリングによって随分といい音になったなと思わせた曲が幾つかあった。冒頭のtime will tellもそうだし、COLORSなんかも顕著だった。しかし、その時のリマスタリングはCD→CDだから、ビットレートやビット深度という点では同じ程度の音質(16bit/44.1kHz)だった訳だ。つまり、わざわざハイレゾにしなくても、ただ単にリマスタリングという作業によって音質が上がったと我々が感じる事が有り得る、という話なのだ。

だから、今度のハイレゾくまちゃんSC1&2の音質が上がったと感じたとしてもそれは、ハイレゾファイルにした恩恵なのか、テッド・ジェンセンのリマスタリング・スキルがこの10年でまた進化したせいなのかはわからないんだわ、厳密に言えばな。

という訳で、そういう話に興味がある人は来週ハイレゾ音源が手に入ったら、ハイレゾをCDレベルの音質にコンバートして、それと10年前5年前の音源と聴き較べてみよう。それがテッドによるリマスタリングの効果である。そして次にそれとハイレゾ音源を聴き較べてみよう。その差が、実質的なハイレゾ効果である。

もっと細かい話をするなら話はそう単純に行かないのだがさしあたって凄くおおざっぱにはこの論点は適切だ。まぁ暇なひとは聴き較べてみるよろし。勿論私もやってみますとも!