無意識日記々

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バンドメンバーの選出について

週末の照實さんのツイートは、なかなかに情報満載だった。特に、ツアーに関して、出来るだけ同じメンバーで臨みたい旨の発言は、恐らくそうだろう、とは思っていたものの、改めてこうやって責任者の口から"言質を取れた"というのは大きい。

そもそも、メンバーチェンジというものは、どこかで何かがうまくいっていないから行われるものであり、必要がないなら起こらないものだ。演奏以外の面も同様だろうが、演奏に限った上でも、長年培ってきたバンドの"呼吸"というものを、みすみす捨てる訳にはいかない。

ただ、Hikaruくらいになると幾らか基準が"手厳しく"なり、バンドがずっと同じメンバーだと馴れ合いが出てきて緊張感が薄くなるとか、新鮮味に欠けるとかいった理由で「勝利中のチーム構成を変える」手に出てくる事も不思議ではない。どんな時でも挑戦者としての気概を失わないのは天晴れだが、通常のミュージシャンにとっては、それは99%が「うまくいくチームを見つけられなかった時の言い訳」に過ぎない。広い意味で取れば、マンネリで緊張感がなくなるチームは"うまくいくチーム"のカテゴリーに入らない。ガッチリと組み合わさったチームは、10年でも20年でも固定化したメンバーでクリエイティブで在り続けられるのだ。

ただ、そういうのは、私が物事を"バンド志向/グループ重視"で見ているからかもしれない。Hikaruは、取り敢えずシンガー/ソングライターである。まずは自分の世界を構築する事。そしてその為にバンドのメンバーを集める事。この順番は変わらない。人は変わるし、歳もとる。その時その時で判断するしかない。

しかし、やはりバンドは場数である。私はウタユナで、2ヶ月の間にバンド・アンサンブルが激変するのを目の当たりにした。たった数回試してうまくいかなかった程度で諦めていたら何にも至り得ない。要は一人々々の志なのだ。それを持ち合わせた人間を揃えられたのなら、もうメンバーを変える必要はない。

そのバンド・メンバーの中でも最古参を誇るのがギタリストの今剛である。今回照實さんから、まずは彼に声をかけるという断言をうただいたが、これも当然の事だ。彼は日本での活動が基本だが、実力的には世界レベルのギタリストだ。彼のスケジュールさえ合えば、Utada Hikaruの地球規模ツアーに引き連れ回して貰ってもライブレポートで酷評を受ける事はないだろう。照實さんの判断は正しい。彼が多忙な為断られる事も多いだろうが、そこの所もうまくいくように出来ている。バンドメンバーのヒアリング/オーディションの順番というのは気を遣うもので、どこかから「あの人に断られたからあなたに声がかかったらしいよ」なんていう情報がきこえてきたりするものだ。そういう事態になっても、断ったのが今剛なら大丈夫。大抵のギタリストなら、自分が今剛の後ガマだと聞いても悪い気はしない。寧ろ光栄というかプレッシャーすらあるだろう。プロのミュージシャンというものはプロフェッショナルであるが故にそういった事は気にしないと思われがちかもしれないが、
多分結構気にしている。そういう意味においても、照實さんがまず最初に今剛に声をかけるのは"間違いない"のである。


それにしても、リプライからの話の流れで語ってくれたとはいえ、今の時期にこんな話をしてくれるだなんて、また余計な妄想が膨らんでしまいそうである。いかんなぁもう。じっと黙って待っていようっと。