無意識日記々

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そちらもまた桜流しの頃合ですか

3月は日本のTop5に入る2つのグループの新譜が発売された。B'zとサザンオールスターズだ。この2つのユニット/バンドの人気は全く衰えていない。彼らのツアー規模をみればそれは明らかだろう。

オリコン調べによる初週の売上は、それぞれ、B'zが約21万枚、サザンが約30万枚であった。繰り返すが、彼らの人気が落ちた訳ではなく、ただ、現在のオリコンの出してくれる数字はこんな感じだよ、という話だ。昔とはスケールの異なる物差しで見ないとねと。

2015年春の時点でオリコンが出してくれる数字がこんな感じであるから、今後これより物差しが大きくなる事はない。何が言いたいか何となく伝わり始めている気がするが、つまり、ヒカルが復帰した暁にオリコンの出す数字に対して安易に落ち込んじゃあなりませんよという事だ。

普通に考えれば、ヒカルがオリジナル・アルバムを出したとして、20万枚を超える事は無さそうだ。B'zにしろサザンにしろ、長年のツアーで培ってきたファン層の分厚さは桁違いだ。そこに新しいタイアップや新しいツアーに伴って加わってくる新規層を足して(&離れていく層の分を引いて)この枚数になっている。それを踏まえるべきだろう。

恐らく、This Is The Oneより売れれば御の字かな、というのが、例えば今年中にヒカルが新譜を出した場合の推定数値になる。まぁ初週7〜10万枚の範囲か。勿論、今年中にニュー・オリジナル・フル・アルバムがリリースされる可能性はゼロに近いが。来年以降は更に基準が下がる。オリコンの今の算出方法を当てにしたままならば。

何か強力なタイアップがつけば、形成が大きく動くポテンシャルもまた、無くなってはいない。が、最早「宇多田ヒカルの居ない生活」は皆の中で定着し始めている。いや皆と言ってもここの読者はそこに入っていないが。アルバムを10万枚20万枚30万枚と売っていくならば、その"皆"の様態に切り込んでいかなければならない。

今想起すると、よくぞSCv2は初週20万枚を超えたものだと感心する。当時は物足りないという感想が多かった気がするけれど。どうみるか。"最高傑作"を以てしてもその程度という事もいえるし、配信バラ売りの時代にシングル・コレクションを売ったのは偉いという言い方も出来る。いずれにせよもう5年前の事なのでどうでもいいと言ったらそれまでだが。

そんな感じだから、宇多うたアルバムの売上をみて「大健闘だ」と言ったおいらの感じも何となく伝わってるかな。FL15もなかなか売れた。ただ、こちらの予想を上回るペースでオリコンの数字全体が減り続けてきている、とは言っておかなくてはならない。アイドルやアニメが好調にみえるのも全体の地盤沈下のお陰であるのだし。

売上を全く気にせず生きていけたらそれはそれで幸せだが、売れた時の達成感を目指して引き出される才能や機会もまたあるのだから、気にする事自体は何ら悪い事ではない。後は個々の価値観次第だ。

私? いつものように桜流しを聴いて「他の事はどうでもいい、この曲と歌声さえあるならば」モードになっているところ。ちょうどここ数日の雨は"桜流し"そのもので、夜桜に雨粒が弾けて花びらを散らしていく様子を眺めながら聴く桜流しは絶品以外の何物でもない。名曲の前ではありとあらゆる逡巡や苦悩や躊躇は浄化される。最も効果的で、そして最も難しい所行だ、「名曲を生み出す」というのは。それをし続けてきた宇多田ヒカルに対して私は…あぁ、これが《全幅の信頼》というヤツか。私は、ヒカルを信頼し切っているんだな。当たり前なんだが、こうやって実際に書き下してみると新鮮だな。頑張れヒカル応援してるぞ。