無意識日記々

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結論:現状維持がいちばん

CD、配信販売ときたら次はサブスクリプション・ストリーミング・サービス(要はラジオ&ライブラリ)の話になるが、これこそHikaru単独ではどうしようもない。各サービスに全曲提供しておしまい、かな?

お値段の方も見ておこう。他のコンテンツとのわかりやすい比較の為にはDoCoMoの展開しているdストアがわかりやすい。dストアのサービスはキャリアがDoCoMoでない人も利用出来るので誤解の無いよう。

dミュージックストアの定額サービスは約1000円で、これは他のApple等の定額サービスと大差無い。やはりここらへんが採算分岐点という計算になるのだろうか。一方、種々の映像コンテンツを扱うdTVは大体500円、アニメ専門のdアニメストアは400円だ。あ、全部月額ね。

これを見ても、音楽コンテンツの値段が他と較べて突出している事がわかる。30分アニメ一本作るのに1000万円とかよく言うから、掛けられているコストは桁が違う(今dアニメストアでは2万数千本の30分アニメが見放題で、それが増える一方である)。アルバム一枚の制作費も確かにそれ位のレベルになる事はあるが、にしてもやはり音楽は割高だ。

今や音楽コンテンツのライバルは同業他社ではなく他のあらゆる暇潰しコンテンツ総てである。果たして、こんな状況で取っ掛かりは殆どが無料のスマホゲームに勝てる気がしない。今見た通り単純な映像コンテンツに対してさえコスト・パフォーマンスの面で乾杯である。あとはどれだけライブラリを増やせるかだが、最新の音楽以外は今はもう大体YouTubeにあるような。

まぁそれを言ったら最大の脅威はYouTubeの有料化或いは一部有料化だろう。音楽がその中でどれくらいのコンテンツになれるかは未知数だが、世界的ヒット曲の再生回数となると億越えになってくるので、世界的にはまだまだ力があるだろう。

収益構造で、広告収入について触れていなかった。ぶっちゃけこれについてはわからん。特に日本人は、全国ネットの地上波テレビによって無料コンテンツ&広告スタイルに慣れ切ってしまっているので今更まっさらで考えるのは難しい。

一方で、例えば週刊少年ジャンプが650万部を突破したり、スーパーマリオブラザーズが700万本売れたり、宇多田ヒカルが750万枚売れたりと、いざとなったらちゃんとお金を払ってコンテンツを真正面から消費するケースも多々ある。今挙げたのは何れも大体人口の20分の1、つまり5%前後を購買活動に誘う力があった訳だ。どれも貸し借りが可能だから、実際に触れた人間はもっと多いだろうけれど。


そういう意味ではコンテンツなんて所詮中身次第であって値段や売り方なんて二の次なのだがそれを言っても仕方がない。ヒカルは既に一時代を築いたしFlavor Of Lifeで"復活"もしてみせた。もう誰も最初の特大ヒットがフロックだなんて思っていない。もうこれ以上証明する必要も無いだろう。後は日本以外の国でどれだけ売れるかという話になってくる。

その点、ストリーミング・サービスが今後どれだけ"ボーダーレス"になるかについては興味が出てくるかもしれない。Apple/iTunes Storeで日本で買えず他の国では買えるコンテンツなんぞも存在していたりするが、ストリーミング・サービスの普及を契機にしてこういった垣根が取り払われるかもしれない。そうなってくればいよいよUtada Hikaruの出番になるだろう。つまり、ストリーミング・サービスは、Hikaruにとって、日本ではさほどインパクトは無いかもしれないが、地球規模ではブレイクスルーのキッカケを生む事になるかもしれない。そういう期待を持ってもいいだろう。そこまで行けば、「AFNからHikaruの声が(毎日)流れてくる」、という長年の夢(私十数年来のAFNリスナー)が叶う事に、なるかもしれない。妄想乙。


まぁいいんだ。そうこうしているうちにきっとまた新しい音楽提供方法が開発されて右往左往するんだ。我々は振り回され過ぎである。ひとまず今は現状維持でいい。というか、Hikaruもファンの年齢層が上がってるんだから、「現状維持」な提供方法を重視すべきだと思うよ。案外、日本では、そっちの方がまだヒットしやすいかも、しれないぜ。もうちょっと待ってみようか。