無意識日記々

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譲り合いで擦れ違い

大物へのオファーというのは、往々にして「遠慮しすぎ」になる事がある。「言ってくれればやったのに」とあとから言われたりする。一方で、こういうのはNHKらしいんだが、出来上がった作品に対して「前世はNGで」とか言ってイラッとさせたりする。確かに、バランスは難しい。

出ているリリースコメントを見ていると、制作側が随分とヒカルをリスペクトしているようにみえる。となるとだ。まぁ大体想定できる事態は、NHK側が「是非宇多田さんらしいものを」とフリー気味にふり、ヒカルの方が「伝統的な朝ドラの作風に合わせてみたんですけど」と気を遣ってしまう、というヤツだな。お互い譲歩し過ぎてすれ違い。

ただ、制作側も全く譲れない事柄もある。尺だ。15分枠のオープニングという事で秒数の融通はきかない。更に、その日の芝居の内容によって、オープニングの尺も微妙に変化する。少なくとも2パターン(60秒と90秒、でいいのかな今でも)の切り取り方が可能な曲を用意しなくてはいけない。それくらいの前提説明からミーティングは始まっているだろう。今はSkype等かもしれんが。

曲調の話はその次かな。朝ドラらしい、素直で爽やかな…と考えてるのはヒカルの方で、どうせならPrisoner Of Loveのような泣きの曲で、と考えるのがNHK側、みたいな捻れからスタートして―だなんていう妄想をはたらかせつつ、さて、どうなったか。

主演女優さんが会見でやや聴いた風なものいいをしていたが、早過ぎないか。

お互いの作風をすりあわせる技術に関してはヒカルのスキルも高い。自分の作風を崩さず、かつ相手の要求にも応える。昔から欲張りなのだ。トレードオフでなくテイクオールで考える。それが現実に実現してしまうから怖いんだが…。

で。NHK側がどれだけドラマ自体の内容を説明できるかで勝負が決まるだろう。「とと姉ちゃん」がどんな作品か。どんな作品と説明されたか。それ次第なんだが次回はその話の続きからかな。