無意識日記々

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世界選手権試合中にスッキリする15歳

世界選手権女子団体二大会連続決勝進出。一昔前なら考えられない文字の並びだ。しかも、ドイツ北朝鮮といった中国を脅かせる実力を持ったチームに勝っての結果だけに価値がある。

準決勝の北朝鮮戦。戦前の予想通り伊藤美誠対リ・ミョンスンが勝負の大一番となった。第1試合ではますます精度を落とした伊藤美誠のフォアハンド。キム・ソンイが如何に好調とはいえこんなにカット打ちを崩した美誠は今までに見たことがない。その状態は第4試合の第3ゲームまで続いた。これだけ状態が悪いなら、と言いかけた第4試合第4ゲームの出だし。そこまでてんでバラバラだった美誠のフォアハンドがいきなり修正される。開かない左肩に割れない左膝。テイクバックとフォロースルーのバランス。対カットで試合途中に戦術を転換して勝利を収めるのはよくあるが、崩れたフォームを修正して圧倒した選手なんぞ見たことがない。卓球史上最高レベルの修正能力である。第4試合第4ゲームの最初の4ポイントを見た時点でつい「勝ったな。」「あぁ。」と呟いてしまった。凄まじい15歳だ伊藤美誠。25歳だとしても35歳だとしても凄まじい。

と、誰もが伊藤の激戦の末の勝利を讃えるだろうが勿論この北朝鮮戦の最高殊勲選手は石川である。リ・ミョンスンに2連勝するのは中国一軍の選手でさえ容易ではない。エースがエースに勝ってこその決勝進出だ。現時点でのMVPは文句なく石川です。


一方男子は台湾に競り勝って準決勝進出。黄鎮廷に2点落としたら厳しかったが逆に彼から2点奪った。水谷のワンマンチームの中であと誰が一点をとるかがこのチームのカラーだが今回その役割を果たしたのは吉村だった。お見事。問題は準決勝で、果たしてチームとしてイングランド対策なんぞしているのか。たぶんしてないだろう。今頃選手はYouTubeにかじりついて情報収集にあたっているのではないか。それはイングランドチームも同じで、よもや世界選手権の準決勝で日本と対戦するなんてイメージトレーニングしてたヤツ居ないだろう。実力的には日本が3-0で勝つところだが、水谷を含め皆不調の中なんとか勝ちを拾ってきた日本に較べ激戦につぐ激戦を勝ち上がってきたイングランドはスピリットが違いそうだ。水谷が慌てると勝利は安泰とは言えない。決勝進出に向けてチャレンジャーに徹する事が出来るかどうかだ。

…なんだか枕だけで今回は終わってしまった。でも土曜日だしまぁいいか。せっかくなので女子決勝の展望についても語りたいが、それはまた機会を改めてということでね。