無意識日記々

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うかうかしていられない

伊藤美誠ばかりテレビに映っていたので忘れられがちかもしれないが、1月の全日本選手権では準決勝で0-4のストレートで敗れている。相手は同級生でダブルスパートナーの平野美宇だ。寧ろ元々テレビで取り上げられる機会が多かったのは美宇の方だが、五輪代表候補選考年であった昨年に美誠が一歩リードした事で露出が逆転した。しかし、もう今年の1月の時点では直接対決で圧勝する程に美宇の方も盛り返してきている。夏のリオ五輪ではまたも美誠が代表な為彼女ばかりが取り上げられるだろうが、素質と可能性に関しては美宇美誠は全くの互角だ。ここから東京五輪までの4年半、この2人が存分に楽しませてくれるだろう。更に他にも濱本、加藤、早田、佐藤等々、10代女子は逸材揃いだ。東京五輪に福原や石川が出場出来る保証は無い。2人にとってはリオ五輪が最後の五輪かもしれないのだ。五輪代表枠の少なさは残酷だよな。クーベルタンの意図とは違うのだろうが、本当にオリンピックは参加する事に意義があるよ。


という訳で今夜のテーマは「うかうかしていられない」、だな。うか様は関係無い。(誰だよそれ)


ヒカルの名前は轟いているが、現実は厳しい。昔はヒカルも冗談混じりに「もし誰も買ってくれなかったら」とか「もし誰も聴いてくれなかったら」とか言ってたもんだが、今回の復活ばかりは、本当にその心配をした方がいい。聴いてくれない、というのは流石に有り得ないが、「買ってくれない」は十分に有り得るからだ。

世の中の大体の人はYouTubeで数十秒のサンプルを聴ければ満足だ。フルコーラスの需要ってどれくらいあるだろう。わからん。今やCDシングルは「かさばる」とまで言われて敬遠される。配信も主導権を握っているとは言い難い。レンタルCDだけが、まだそれなりに元気と言えるかもしれないがこれだっていつまで続くかどうか。

「買い支える」というのはここ数年のキーワードである。クラウド・ファンディングという言葉も通じるようになってきた。そしてこれがヒカルの弱点である。

「俺たちが頑張らないとコンテンツが続かない」という危機感が人を購買活動に走らせる。極端にいえば、コンテンツがどこか“頼りない”からこそ「俺たちが」となれるのだ。そしてそれで続いていければ誇らしい。

世の中の誰も宇多田ヒカルが売れないなんて思っていない。正確にいえば、彼女を買い支えようだなんて誰も思えないのだ。確かに、ファンは買って応援しようとする。ウチにも同じCDが5枚あったりする。しかし、幾ら買い積み増しても「俺たちが買い支えないとコンテンツとしての宇多田ヒカルは続かない」なんて危機感を本気で持てるヤツは居ない。「寧ろヒカルにレコード会社や日本市場を支えて貰いたい」と思っている人が大半だ。

危機的である。誰もがそう思っていたら「きっと世間では売れるだろうなぁ」という気分と機運だけが生まれて、誰も自分が買おうとならないかもしれない。もしそのエアポケットにハマってしまったらヒカルは驚くほど売れない。だから、復帰第1弾は本当に買いたくなるレベルの楽曲が必要なのだが、そのレベルとやらが何なのか。そこを考えなくちゃあならない。次回はそこら辺の話から、かな。いやま全然別の話をするかもしれませんがね。