若い人たちにカセットテープが珍しがられているらしい。そういや昨年のレコードストアデイではメタリカがカセットテープをリリースしていたっけな。アナログレコードも好調らしいし、妙なリバイバルだ。
年寄りからすればカセットテープに戻ろうと思ってももう無理かもしれない。今と較べて、いろんなエピソードがあった。ライン入力の存在を知らず、マイクでテレビの音声を録音しようとしていろんな生活音が入ったり、メタルテープやハイポジションを有り難がったり。A面から途切れずにB面が再生されるように分数を合わせたり。あれ、大体30分の1くらい表示よりも録音時間が長いんだよね。だから60分テープだと片面31分くらい入るから…なんていう風に。
CDが発売されてからも、MDやCD-Rが普及するまではカセットテープのお世話になった。CDの容量が74分で、片面にCD1枚を入れたかったんだろうか、末期には150分テープ(片面75分)まで発売された。しかしカセットの寸法は同じな為極端にテープが薄くなりえらくいろいろと不安定だった…
…こんな話についてこれない世代がきっと今カセットテープを聴いてみてるんだろうな。きっと自分くらいの世代がオープンリールデッキをみて「秘密基地だ!」とはしゃぐような感覚なんだろう。アンティークというか物珍しさというか。ある意味、とうとう本物のレガシーになったかという気分。
と言っているが、毎度突っ込んでいるようにカセットテープは今でも現役である。演歌の新曲はカセットテープでも販売されている。このままいくと先にCDのマキシシングルの方がなくなってしまうのではないかという位に息が長い。80年代以前の歌手の方のみならず、90年代以降にデビューした歌手の皆さんもカセットテープで新曲をリリースしている。ファン層の体質みたいなもんだろうか。
つまり、今は祖父母と孫の世代それぞれでカセットテープがもてはやされている。極々一部で、だけどな。いちばんカセットテープを使っていた世代(SONYウォークマンに熱狂していた世代)がいちばんカセットテープと疎遠なのだ。だからどう、という事は、ないけれど。
ヒカルはカセットテープでのリリースはした事がない。プロモーション音源は別として。ギリギリVHSでのリリースもしていたが、実質無縁、と言って差し支えないだろう。でも、ヒカルも小さい頃はカセットテープを使っていた筈で、そんなエピソードが語られた事あったかなと思いを巡らしてみたが心当たりがない。でもいつか(また)語ってみて欲しいものである。