無意識日記々

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まだ話すには早過ぎる話題。

UKのEU離脱に伴い、スコットランドの独立話が再燃しているという。前回の独立を問う国民投票においてUKがEUに加盟していた事実がどれだけ前提として共有されていたかが大義名分の分かれ目になる。向こうの情勢などは知らないが、これを機にUKの分裂となればいよいよ歴史の教科書に載る出来事となるだろう。

そうなってくると気になるのはHikaruの動向だ。ロンドンに居を構えてるらしい事は伝わってきているが、果たして今後どう振る舞うか。ただの離脱だとすれば、どちらにせよパスポートとVISAにまみれた生活を送ってきているだろうから「手間がひとつ増えた」程度になるかもしれないが、スコットランドのUK離脱EU加盟だとすると、少し揺らいでくるのではないか。

そもそも、「自身の音楽的ルーツはスコティッシュと共鳴する」と言わんばかりに、イギリス特集でもイングランド特集でもアイルランド特集でもケルト特集でもなくスコットランド特集を1時間放送したのはHikaru自身だし、つい最近そのスコットランドと関わりの深いCocteau Twinsのアルバムをオール・タイム・フェイバリットに選んだのもHikaruである。目下の情勢を注視していない訳ではあるまい。

家族のある身だ。そうそう簡単に移住云々を言い出すとも思えない。何より、スコットランドを選ぶのであれば国際情勢など関係なく既に決めている筈だ。恐らく動かないだろう。しかし、スコットランド独立となると、何らかの拠点というか繋がりを作っておきたくなる気持ちはあるかもしれない。それに沿って動くかは兎も角。

現実としてHikaruがロンドンを選んでいるというのならロンドン自体に魅力を感じていると考えるのが自然だ。となると、現実の問題として考えるべきは寧ろこの情勢下でロンドンがどう変わるかだろう。

ニューヨークや上海と共に、世界市場の一翼を担っているロンドン、だが私は経済の事はわからないので触れない。ただ、経済状況が商業音楽に対してどんな影響を与えてきたかというのは、様々な書物に載っている。

70年代中盤のオイルショックや90年代初頭の湾岸戦争の頃、たくさんのアーティストが契約を切られた。シンプルに言えばオールドウェイヴがニューウェイヴにとっと変わられた。レコード会社とて一企業だから、経済情勢がそういう節目を形作る事もある。

今回は色々と事情が違う。イギリスが珍しく本土について決断した、つまり国際問題であると同時に国内問題であるという点と、もうひとつ、今のレコード会社が既に国際企業体であるという点だ。

詳しい分析は省いて物凄くおおざっぱに言えば、それらの要因によってロンドンの音楽シーンの雰囲気が様変わりする可能性は否定できない。ビートルズ以来半世紀にわたって小さい市場ながら世界的影響を行使するトレンドセッターとしての役割を担ってきたこの都市が、その役割を終える事になるかもしれない。まだまだ先の事はわからないが、昨日まで不変だった事が明日も変わらないとは限らない。まだ気は早いが、10年後位に、何がどうなっているかまた見てみる事にしよう。今はまだ語るには早過ぎる。