無意識日記々

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『通常盤仕様1形態』

前々回(木曜晩)の日記を読めばわかる通り、こちらとしては、下半期に入り、『真夏の通り雨』『花束を君に』、それに『桜流し』を加えた3曲を、今までの「シングル曲としての立ち位置」から「アルバムの中での位置づけ」に視点をシフトして語り始めようとしていた所だった。そこに、まるで星から降ってきて弾けたようなアルバムリリースの報。面食らったよ正直。

ただ、9月28日発売は決して早いとは思わない。そっちはまだ想定の範囲内と言ってもいい。7月7日深夜の発表というのに意表を突かれたのだ。

もっとも、結局のところは「都合がいい」という話になる。アルバムの話がしたい、という所にアルバムの発売発表があるかないかは本当に必要な情報で。仮に無かったとすると、話の端緒としてまず「宇多田ヒカルはアルバムを出すのか」「出すとしたらどういう形態か」という所から始めなければいけなかったんだから。それをごっそり省略できる。「通常盤仕様1形態」。何という魔法の言葉だろうかこれは。総ての問題を解決する。

『通常盤仕様1形態』。大事な事なので2度言った。嗚呼、これを待っていた。勿論私も、時勢と実績を鑑みて「次作でもまたLIVEコンサート優先予約権がつくのではないか」とコメントしてきた。まだその可能性が無くなった訳じゃないが、あったとしても初回限定でなく買った全員につくのだからフェアである。

我々の方の感覚が麻痺してしまっていたのかもしれない。これが普通なのだ。何故同じ楽曲の入ったアルバムを2枚も3枚も買わなければならないのか。私個人はいいよ。アジア盤の装丁をチェックしたいとかマスタリングの違いを聴き較べたいとかつい衝動に駆られてとか、様々な"自分でつけた理由"があって複数回購入するだけだから。でも普通はねぇ。歌聴きたいだけだよねぇ。

今から予防線を張って狡いと言われるのを承知の上で書く。売上枚数は周りに居るアイドルたちのそれと較べて3分の1、5分の1、10分の1とかになっているのだと。初回盤A,B,C,Dに通常盤にと5種類出すアイドルも居る。そんな中で「1人1枚」いやさ「1家族1枚」で売るんだからそこは斟酌してくれないと。純粋に歌だけで勝負して、3240円という今時時代錯誤な値段を払ってくれる層がどれだけ生き残っているか、みてみようじゃないか。

レンタルは爆発すると思う。流石にただの音に3000円+税はキツい。しかし、レンタルの数百円なら払ってでも聴きたい。そう思う人はセルの何十倍にもなるだろう。あとは、その人たちの持ってるCDプレイヤーがまだ動くのかどうかだよね…。

そこなんですよ。今やスマートフォンユーザーだらけ。更にパソコン買ってもCDドライブついてない。となると、レンタルCDすら利用しない人々が増えてきてるんじゃないかと思っているんです。音楽はYouTubeでしか聴かない、みたいな。その、昔でいう「買う程じゃないけど、レンタルでな聴いてみたい」というあやふやな層を掬い取る方法が今危機に瀕しているんじゃないかと。ここをうまく掘り起こして、何とかその数百円を払ってもらえる方法を編み出せればいいのにな、とは思うんです。

しかしそれはそれ。こちらはこちら。今回は、配信は別として(アナログは…?)CDは「通常盤仕様1形態
」。とくとご覧あれという気分。どうなる事か、12週間待つと致しましょうか。