無意識日記々

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レンタルCD全盛を知る世代の杞憂事

ヒカルが次に新曲を出す時はCDシングルのリリースは望めず、ダウンロード販売が主体で、どうやら即日サブスクでストリーミングも始まるだろう、というのが現時点での大方の見方かと思う。『フェイス・マイ・フィアーズ』のCDシングルがリリースされたのは「KINGDOM HEARTS」というゲームのファン達が購入するグッズの一環としてゲームショップの店頭でも並べる為の方策だった。次のヒカルの新曲がゲームとのタイアップとは限らないので、今からCDシングルのリリースは期待できない。あったら嬉しいんだけどね~。

で。注目なのは、気の早い話だがアルバムがどうなるか、だ。流石にまだCDはリリースされるだろう。次のアルバムが10年後とかでもならない限り。勿論ダウンロード販売もある。鍵はサブスクで即日ストリーミング配信されるかどうかだ。

他の国は知らないが、日本はCD事情において特殊な国だというのが定評だ。秋元康大作戦は置いておくとしても、レンタルCDの隆盛が平成31年間の音楽産業を引っ張ってきたといっても過言ではない。今現在も顕著だが、昔からCDセルショップよりCDレンタルショップの方が数が圧倒的に多いのだ。

で。レンタルショップでは新作と旧作で料金に差をつけるのが通例だ。新作・準新作・旧作の順に安くなる。また、真っ新な新作はレンタル開始まで数週の期間をあけるケースも多い。

つまり、大体の傾向において、その週に発売されたほやほやの新作を聴きたい人は3000円払ってセルCDを買い、少々遅れてもいいからそ)なりに節約したいひとは400~500円とか払ってレンタルで新作を聴き、新旧問わず兎に角沢山聴きたい人は旧作を100~200円とかで漁る、という感じのサイクルだった。その中で中古盤もうまく活用して、ね。

この“日本人の音楽消費習慣”に則れば、今ならまず最初はCDとダウンロード販売で新作アルバムをリリースし、旧作扱いになった時点でサブスクストリーミング配信を解禁する、という手順がいちばん“しっくりくる”ような気がしている。

ヒカルの支持層は、しかし、所謂平成の消費習慣に収まらない若い世代が増えている。即日サクッとストリーミングで聴けない、YouTubeでチェックできない、となればそもそも関心を向けて貰えるチャンス自体を逸しかねない。一方で、本来ならCDやダウンロードで躊躇いなく買ってくれるオールドファンが「あら、すぐにストリーミングで聴けるのね。じゃあCD買わなくていいか」となるのは、なんかちょっと勿体ないというか、折角払ってくれるって言ってるのにという気持ちももたげてくる。この見極めが難しい。

見極めが難しいのは、先述の通り、デビュー20周年とは思えないほど若いファンが増え、その割に過去からのオールドファンもそんなに逸していない為だ。よくいえばいいとこ取り、よくなくいえば板挟みの今の状況でRIAとU3がどういう判断をしてくるか、そこらへんに注目しておきたい所存です。