無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

It's not Fantome Antichrist

何を思ったのかうただ寝、いやうたた寝をしてNHK SONGS見逃したぜ。まぁ再放送だったみたいだから実況できなかっただけ、って事ですが。やれやれ。


メタラーな話。発売から3週間が経ったが、KREATORの最新作「GODS OF VIOLENCE」が血を吐く勢いで素晴らしく毎日にんまりしている。先行公開曲のひとつ"Totalitarian Terror"なんぞ何度聴いたかわからない。この2ヶ月で私"Totalitarian Terror !!"って500回位呟いているぞ。完全に危ない人だ。

KREATORのブレインであるミレ・ペトロッツァは勿論必殺のスラッシング・リフ&メロディーメーカーだが、私は昔から彼の事を「スラッシュ史上最強のリリシスト」だと思っている。作詞家な。兎に角リフとリズムに言葉を載せるのが巧く、聴いてるこっちはついつい言ってみたくなる。上述の"totalitarian terror"なんかその典型だ。もうこうやって字で書いてるだけでムズムズしてくる。字面もちょっとデザインドな感じになる。

今年90歳で38年ぶりに新譜をリリースするレジェンド・チンピラ・チャック・ベリー翁が活躍した50年代の昔から、ロックンロールの歌詞の肝は如何にリズムと一体化し、そこから更に上回るかがテーマのひとつだ。それを全く違う方向から裏切ったのがTHE BEATLESで、彼らはロックンロールと途方もないメロディー&コーラスを融合させる破壊的行為を行った。彼らは何曲かチャック・ベリーの曲をカバーしているが、日本人の大多数が彼らのカバーの方を好きだと言う。それだけロックンロールは日本に馴染まない文化とも言える。

同じリズム重視の音楽をやっていても、ロックンロールやスラッシュ・メタルにはなかなかいいリリシストが生まれず、ラップ/ヒップホップには名作詞家と呼ばれる人材が豊富になった。四半世紀前はカウンター・カルチャーだったヒップホップが今や富と名声と権威の象徴となっている。スラッシャーは、メタリカという大怪物を生み出した以外は相変わらずアンダーグラウンドのままだ。あ、メガデスグラミー受賞おめでとう。


『ともだち』を聴きながら、この、ヒカルにしては"新しい"歌詞の載せ方はどこから来たのかな?という問いが生じた。独特である。デビュー当時からリズム感抜群と言われ続けてきたヒカルだが、こと作詞に関してはリズム重視の曲は少ない。それこそ、『甘いワナ〜Paint It, Black』とあと何だっけ?という感じ。情感溢れる歌運びの為の作詞術レシピは何冊も本が書ける程にあるだろうに果たして言葉とリズムというテーマについてはどう考えているのだろうか…という話からまた次回、かな?