無意識日記々

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ライブアルバム所望症状定期的発症中

大規模なツアーが来年開催されればまず間違いなくライブDVD/Blurayがリリースされるだろうが、私としてはCDでライブアルバムを出して欲しい。いつも言っている事だけど。

まず、自分があんまり映像を観ない、というのがある。ライブビデオよりそこから録音したmp3ファイルの方が接触率が遥かに高い。音だけでいいんです。音だけがいいんです。先日もライブに行ってて気がついたのだが自分はライブの間、半分くらいは目を瞑って音を聴いている。会場に居てすらそうなのだからいつでも観れるライブビデオはそりゃなかなか観ないわな。

一方音は「スタジオバージョンとは別バージョン」だからと聴きたくなる訳だ。デイビッドサンボーンミックスみたいなもん。

もっと言えば、小さい頃から「ライブ・アルバムの名作」に慣れ親しんできているというのが大きいのだろう。例えばディープ・パープルの「ライブ・イン・ジャパン」などは、録音地であるここ日本のみならず、海外でもハードロックの名盤として名高い。というか、ディープ・パープルで一番人気のあるアルバムはどのスタジオアルバムでもなくこの「ライブ・イン・ジャパン」だ。

70年代には他にもチープ・トリックの「ライブ・アット・武道館」とかスコーピオンズの「トーキョー・テープス」とか、日本発で世界中で売れたライブアルバムがあったのだ。私もリアルタイムじゃないけどね。

別に日本発でなくても、例えばピーター・フランプトンの一番のヒット作はライブアルバムだったりするし、選曲がベスト・アルバム的なライブアルバムが普段のスタジオアルバムより売れるのは珍しい事ではなかったのだ。洋楽では。

しかしここ日本ではライブアルバムよりベストアルバムやシングルコレクションの方が遥かに売れる。欧米との価値観の違いなのだろうか。ライブに行ってさえ「スタジオバージョンの完全再現」を希望し減点法でコンサートを観賞する。そりゃあライブアルバムの"不完全な"バージョンはわざわざ買ってまで欲しくはないだろう。

しかし勿論、宇多田ヒカルとなると話が違うのは皆さんもよく御存知。『愛のアンセム』などはSCv2のバージョンより『WILD LIFE』のバージョンの方が好きだという人も多いだろう。『BLUE』や『Beautiful World』もそうかもしれない。しかし、「CDは買ったり借りたりするけどライブDVDには手を出さない」というライト・ファンの皆様はこれらの麗しいライブバージョンの存在をそもそも知らないのですよ!

ライブCDとして音源作品にしてしまえば、ハイレゾやMP3ファイルとしてダウンロード販売ができる。ライブDVDだとちょっと高くて手が出ないなと思っている向きも250円なら「1曲くらい聴いてみようか」となるかもしれない。そこで魅了されてライブDVDを購入するかもわからないのだ。いや勿論配信でもいいんですよ。

要は今までヒカルのライブといえば売り手市場で、チケットを売る事やライブの魅力を伝える事にそんなに躍起になる必要はなかったのだろう。それはきっと次のライブコンサートツアーも同様だろうから状況は変わらない。しかし、海外に対してはベストアルバム代わりに一度はライブ・アルバムを出しておいてもいいんじゃないのかな。と言っても、海の向こうの音楽消費の主流はサブスク・ストリーミング・サービスに移行しているらしいから、あんまり効果はないかもしれないけれど…。