無意識日記々

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パッケージングにみるマーケティング


私も店頭の写真パネル観に行ってきたんだけど、やっぱり


「…ブックレットの写真これでよかったんじゃ?」


と思っちゃったわ。



昔から…そうね、例えば邦楽のCDと洋楽の日本盤CDを較べても、邦楽CDの見た目の方がシュッとしててスタイリッシュなことが多かったのよね。洋楽CD日本盤って、歌詞対訳解説付きプレゼント応募券付き云々かんぬんってやたらゴテゴテゴチャゴチャしてて賑々しかった。昔話なんだけど。


これって、逆転現象だったのよね。洋楽CDそのまま出したら英語ばっかり(フランス語とかもあるけども)でとっつきづらい。だから曲名表記もカタカナにして、帯にはわかりやすい宣伝文句を入れて…ってやってくとまるで週刊誌の広告みたいになってったと。一方邦楽CDは…一言でいえば「カッコつけてた」んだよね。まぁそれに加えて、余計なことはせずに経費削減ってのもあったんだけども。


これねぇ、買った方としては何を得たいかなのよさ。わかりやすさかカッコよさか。「オシャレは我慢」なんて格言(?)もあるけど、それなりに洒落てたら、そんなに楽しくないのよね。


いつもこれ喩えに出すんだけど、日本の包装文化。コンビニやスーパーで買う庶民的な食品やお菓子のパッケージってずっと進化し続けてて、フォントやレイアウトの工夫で説明や使い方はわかりやすいし、何より信じられないくらい開けて取り出しやすい!よくもまぁこれだけノウハウを蓄積したなぁと思う。親切の塊みたいになってて、その分ぱっと見は色々とゴタゴタしててそれこそ週刊誌の見出しみたいになってて。一方で、老舗で買った高級な贈答品とかを貰うと、パッと見はシュッとしててお洒落で洗練されてていやぁいい見た目だなぁと思うけど、開封方法は原始的で開けづらいし、使い方作り方食べ方とか素っ気なくて結局どうすりゃわかんないし、どうにも使い勝手がよろしくない。そういうところに力を入れないのよなぁ。


今回のSFパッケージを手に取ってブックレットの写真を眺めてて「これ老舗からの贈答品の方だなぁ」と思っちゃったのよねぇ。確かに飾っておくにはいいものだけれど、娯楽性という意味ではつまんないパッケージになってる。先週指摘した取り出し方の面倒さもその一環。


これ、宇多田ヒカルはどっちで行くべきなんだろう? 普段食べる安価な食品なのか、それとも季節の折々に貰う高級な贈答品の方なのか。ファンがどちらを求めてるかにもよるのだけど、これ案外難しそうなんだよね。今回のブックレットも、私のニーズには合わなかったけど、誰かのニーズには合ってたかもしれない。AFoNoCoMVも、あたしは惜しいなぁと思ったけど「これがいいんだ!」って人も居るかんね。


余りにも幅広い層にファンを持ってるもんだから、こういう特殊で特別なパッケージを作るとなった時にどこに焦点を当てたらいいかわかんないとこあるのよねぇ。確かに、19800円ていう価格帯を考えると「高級品路線」で行くのは間違ってない気もするけど、ヒカル自身はどう考えているのやら。コンサートであれだけ盛り上がって欲しがってた事を思い出すと、庶民的な感覚が強いのかな。或いは、映像商品は「そういうライブに行く事を考えなかった取り済ました人たち(ライブではしゃぐなんて考えられない人たち)」に向けたもので、ターゲットが別なのかな?? 今回のマーケティングがどうなってたのか、ちょっと梶さんに訊いてみたいところだわね。