無意識日記々

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『うただひかる らいなーぼいすぷらす』

そのヒカルのラジオ番組は「宇多田ヒカル Liner Voice+ (読み:うただひかる らいなーぼいすぷらす)」という。こういう読みの説明凄く大事! 例えば声優ネタでいうと藤田淑子が「ふじたとしこ」で太田淑子が「おおたよしこ」だなんて素人にはわからないから! こんな漢字や英単語読めるだろうと放置したら誤解の蔓延は止められない。こういう細かい気遣いが出来てる時点でこのラジオ番組の成功を確信したぜ私は。

で、この「ライナーボイス」ってのが、CDを買わなくなった世代には通じないかもしれないなというところから。

アナログ盤の昔からレコード/CDには、特に洋楽に多いのだが、「ライナーノート(ライナーノーツ)」と呼ばれる解説文がブックレット(付属の小冊子)につけられていた。細かい楽曲の背景やレコーディングメンバー、時期、録音場所などが時にインタビューなどを交えながら書かれていた。この執筆は大抵は音楽評論家の仕事なのだがたまにミュージシャン自身が語る/書くことがありそれは「セルフライナーノーツ」など呼ばれていた。

今回のヒカルの「ライナーボイス」は、その音声版である。ノーツというのはNotes、つまり書き文字のことなので、今回は話し声でライナーノーツを提供しますよというネーミングなのである。

知っている人にはくどい説明なのだが、今の若い人はCDを買わないからそもそも「ブックレット」がどんなものかすら知らなかったりするわけでね。CDを買う世代ですら洋楽の日本盤を購入するなんて1割しかいないんだから「ライナーノーツ」なんてなかなか馴染みがないですわな。

で、ヒカルはそれをブックレットや付属CDではなくてラジオ番組でやってやろうという話だ。しかし、前回書いたように取れた時間枠が1時間弱なので、言葉で説明したとしても肝心の楽曲が恐らくワンコーラスずつしかオンエア出来ないという事態になっているだろう。これはこれで物足りない。

そこで今回登場したのが「Spotifyのプレイリスト」大作戦である。プレイリストにはまだアクセス出来ないが、ヒカルの解説トークのトラックと実際の『BADモード』の収録曲トラックが交互に組まれたプレイリストになっていることだろう。そうなると多分再生時間は1時間半以上になるんじゃないかな。故にニュースにはこのSpotifyプレイリストのことを『本番組のノーカット完全版』と書いている訳だ。もしかしたらヒカルによる解説トラックも、ラジオ番組のそれに較べて長いものになっているかもしれない。ストリーミングはラジオ番組放送時間枠もCD一枚の限界再生時間(約78分)も無関係に幾らでも長時間再生できるからやりたい放題だね。

これはなかなかに画期的な企画になりそうだ。捕獲が面倒なラジオ番組は最初から諦めてSpotifyプレイリスト1本に絞るのもアリかもわかんないね。ただでさえ先行配信にスタジオライブにエキジビションにと忙しい時期なのでな!