無意識日記々

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LONDON CALLING

わざわざ日本時間8月9日なんて日にロンドンで暴動起こさんだかてええやんか。【久しぶりの大事なお知らせ】をUPした記念日で、誰かさんはロンドンに居るかもしれないというのに。まだ私は様子を把握していないが、20年前のLA RIOTとどちらが酷い?

ロンドンという都市はロックファンにとっては聖地である。英国のミュージシャンといっても郊外出身である事も多いし、重要なバンドはリバプールやらバーミンガムやらから出てきたりしているのでロンドンだけが突出している訳でもない。でもその響きには魔力を宿し続けている。

別に常に活気に満ち溢れ好景気を継続しているという事でもない。寧ろ、特にロックミュージックにおいては若者の不平不満のはけ口として機能してきた。その機能はまぁどの都市にもあるのだろうが、ロンドンの恐ろしい所はその規模の小ささに似合わない世界的な影響力である。

特に80年代初頭近辺は凄まじく、確かに80年代の音楽の商業的隆盛はMTVをはじめとした米国の力が大きかったが、その起爆剤としてのパンク〜ニューウェイヴの勃興とNWOBHMの勃発は大きかった。米国の、とりわけLA〜ハリウッドのショウビズ業界をロックが動かし始めたのも、元を辿れば…

…だなんて受け売りで埋め尽くされた話はこれ位にして。何しろ、私ロンドン行った事ないんだし。その影響力が一体何であるかを知る為には、勿論そこに住んでみるのがいい。旅で通り過ぎるのとは異なる、その土地の"醸成力"みたいなもんは、時間を掛けて過ごさないとなかなかわからない。

宇多田光という人物は、しかし、実際にその場所に行かなくても、その時代を生きていなくても、ただちに本質を理解し咀嚼し自分の血肉にしてしまう魔法のような力を持っている。それは未知の人や未来の人まで魅了する。「私の気持ちをわかってくれる人はヒカルちゃんだけ」と今まで何人の人が思ってきた事か。光は、今まで体験した事のないものを理解し、これから出会う人々の心まで既に掴んでいる。彼女に、時間的空間的な"束縛"を要する経験や体験は、限りなく必要がないのである。いざ何かを経験した時には1をきいて100を知る勢いなのだ。

そんな彼女が当地でライブを行った時、「住んでみたい」とまで言った街、それがロンドンである。魔女ともいえる千里眼の持ち主をも魅了するこの魔力、一体ロンドンには何があるというのだろう。とりわけミュージシャン/アーティストにとっては、感じるものがあるに違いない。

でも光は"派手なアーティスト活動"を休止してこの人間活動に入った訳であるから、ロンドンにもし住んでみたとしても"逆効果"なんじゃないかなぁ…その魔力の影響で、アーティスト活動を始めたくなっちゃったりしないのかねぇ…まぁそうなったらそれはそれなんですがね。