無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

一周忌の週

今週は一周忌を迎えるという事で、U3の2人が法要の類を執り行うかどうかはさておき、夏の季節の中で些かの感傷に浸る向きも幾らかは居るだろう。何も表立って芸能活動に勤しんでいた人が突然亡くなったのとは違った訳だから、「皆が名前をよく知る人が」以上の意味は希薄だったのだし、お陰で娘の方に迷惑が掛かるという流れも作られたが、極端にいえばそんなに社会的に影響力のある訃報ではなかった。ドライにいえば、田中投手の故障者リスト入りの方が社会的影響はずっと大きかった。

従って我々が注視すべきなのは関わった方々の心の動きの方であって、そこに何らの損得勘定も不要なのだが、とりわけ家族2人の動向は、娘の結婚という一大イベントが絡んできた事とも相俟って、少しのゴシップ的な興味と、活動復帰による市場への影響という点で、スケールはそこまで大きくないながらも、若干の外野の興味を惹く事態にはなっている。

特に、UMG下における今年度の邦楽部の再編は、どこか「日本人アーティストの海外進出」に色気をみせている風でもあり、そうであるならば過去有数の実績を持つUtadaの復活は、新しいスタートラインの設置としては殊更重要な意味合いを持っている。

再三繰り返してきたように、幾つかのアーティストの昨今の海外進出は、ジャパニメーションをはじめとする"日本文化"の一要素として、それぞれがその大きなひとつの看板の一部を担う形で支持を得てきている。それに対し、Utadaの成功は、一部にその風味を孕んでいるとはいえ国籍に関係なくアメリカのドメスティック・アーティストとして成功したという点で他のアーティストたちとは一線を画す。特に、LoudnessDir en greyが一定の市場の中でインターナショナル・アーティストとしての成功を掴み取ったところから、更に一歩踏み出したという点で5年前のUtadaは新しかった。

その独自性のお陰で、なかなか日本国内に同じ手法を取れる才能は見いだし難いものの、そこを一旦突破口として海外展開の先鞭とする戦略は容易に想像出来る。

レーベル再編のタイミングを鑑みると、一周忌と共に活動再開への道筋をという浪花節的手法は、頓挫したにしろ最初からなかったにせよどうやらなさそうな流れではあるし、U3の2人が「それは元々関係がない」と口を揃えるならば2人の心の動きは別にしてアーティストとしての活動は、時期的に有り得るとしても今年度末に合わせて、となりそうな気配だが、1月にラジオを休んだ事実を思い返すとこの一周忌の時期に改めて何らかの苛みが光を襲う可能性も捨て切れず、その動向如何によってはそこで計画の変更という事態も十分想定出来るので、ギリギリまで種々の発表は控えた方がよく、現時点で99%まで仕上がっている事案があるとしてもそれはよくよく様子を見た上で発動した方がいいだろう。暫くは静観を望みたい。