もう一度該当箇所を引用しておこう。
『「タイムイズマネー」
将来、国家公務員だなんて言うな
夢がないなあ
「愛情よりmoney」
ダーリンがサラリーマンだっていいじゃん
愛があれば』
続いては、「愛情よりmoney」の方である。文章全体が英語であるのに全部カタカナで書かれた『タイムイズマネー』に対して、こちらは日本語の文章に差し挟まれているのにも拘わらずアルファベットで"money"と書かれている。これはいったいどういう事なのだろう。
一義的な理由はわかるのだ。それは明白である。実際の歌では、この部分の『money』は"マネー"ではなく"モニー"と発音されている。モニーと言っているのにマネーと書く訳にはいかない。しかし、アルファベットでmoneyと書けばこれの発音は[mΛni]であるから"モニー"だとしても不自然ではない。
とはいえ、ここでの光は日本語的に"モニー"と言ってしまっている。それを歌詞カードにそのまま書いたってmoneyだとはわからない。一方でマネーと書いてしまってもそれも嘘。結局アルファベットでmoneyと書かざるを得ないのである。
それはいい。一義的には、"モニーと発音してるから"で表記がmoneyである事の説明にはなっている。しかし、当然の事ながらそれなら「なぜ光はここでmoneyをモニーと発音する必要があったのか」という疑問が生じてくる。これが、発売から6年経とうとしている今でも、さっぱりわからないのだ。
同じメロディーの他の箇所を調べてみよう。「愛情よりmoney」と同じメロディーなのは、
『I don't care about anything』
『無い物ねだり』
『何度でも期待』
『大切な命』
『タイムイズマネー』
の5つである。この中で更に『モニー』と同じ場所なのは、『anything』、『だり』、『きたい』、『いのち』であるから、"語尾をイの段で揃えたい"というのはわかる。anythingはanyでもエニーだしthingでもシン(グ)だからやはりイの段だ。となればmoneyも"ネー"ではなく"ニー"にすればいい。
しかし、それなら"マニー"と発音しとけばいいんじゃなかろうか。そっちの方が日本人には「ああ、moneyだな」とわかりやすい。わざわざ『"モ"ニー』と発音してるのは何故なのか。謎である。
実際、筆者が最初に聞き取った時は「愛情よりmorning」か何かと思ったものだ。意味が通じないからすぐ棄却したが、歌詞カードをみてそれがmoneyだと知り吃驚した次第。
該当する場所の音を拾ってみてもそれぞれ『"エ"ニー』、『"だ"り』、『で"もきた"い』、『"いの"ち』であるから、必ずしもオの段で揃えている訳ではない。ますます謎が深まる。
普段ならここから考察を展開してその謎を解き明かす所なんだが、こればっかりは本当にわからない。また何か気がついたらその時あらためて書くぜ。情けないエントリーですみません。うひー。