で、Beautiful Worldだ。ヒカルの歌詞にはその時の世相を反映した単語が幾つか登場したりするが、この曲はアニメーション映画の主題歌だからそういったものは顔を覗かせない。２つ、少年マンガと新聞はもしかしたら時代と共にあれこれあるかもしれないが、流石に意味が通じなくなるという事はないだろう。
気になるのは、最初にどこまで計画をきかされて曲作りに入ったか、だ。ただ私の記憶があやふやなだけなのだがヒカル自身が４部作全部でこの曲が使われると発言した事はなかった気がする。が、やはりそうなる事も想定した上での作詞であったとは考えられる。
Acousticaの方の好評は私にも予想外だった。映画の出来が余りにも素晴らしく、その余韻の中で鳴り響いたもんだから評価にバイアスが掛かっている虞もある。雰囲気を壊さなかっただけでも大したもんなんだが。
予想外、とは書いたが、私自身は破にBWがハマるだろうとは思っていた。同じ曲を２度使う事への反応が読み切れなかっただけだ。兎も角この流れが出来てしまえば、ＱでもBWがなんらかの形で使われる事は予想から期待へとなるだろう。ヒカル以外の歌手を起用するのはリスキーだし、ヒカル自身の新曲ですら危うい。残テを復活させるとかでもない限り。いやそれでも新劇版にマッチするかというと微妙だが。
ひとまず、４部作が終わるまでは新聞も少年マンガも安泰だろうからBWの歌詞には問題ない筈だ。注目は、実際に本編で「君の側で眠る」シーンや「僕の世界消える」場面が出てくるか否か、出てくるとすればそれはいつどんな場面か、という点だろう。制作側がBWにインスパイアされてそういったシーンを描くという可能性も考えられる。まだ全貌は把握できないものの、BWがEVAの世界を正確に反映しているのなら、ここが発端になってもいい筈である。「あの曲が、あの歌詞がなかったら新劇版EVAは完成しなかった」と制作陣に言わせる事になるやもしれない。Beautiful Worldは、それほどまでに核心をついている予感がする。
