無意識日記々

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EVA曲解禁のタイミングについて

ヒカルが次のEVAに関わっているとして、関心があるのはその主題歌を発表するタイミングである。

2007年のBeautiful Worldは、最初は6月下旬に解禁された45秒のサンプルだったように思う。その45秒に対して5500字ほど綴った覚えがある。映画の公開は9月。CDシングルが発売された更に後だった。

2009年のBeautiful World PLANiTb Acoustica Mix は封切り日当日の解禁だった。僅かに前にヒカルが主題歌を歌う事が明かされたが曲名は当日まで伏せられた。Beautiful Worldのリミックスだという事も知らされなかった。

私はもともと「新劇版EVAの主題歌はずっとBeautiful Worldでいい」と言っていたのだが、その変則的な情報の出し方に戸惑い、封切り日前一週間は「もしヒカルが新曲を書いていたら」という仮定のもとに日記を綴っていた。Utadaもあったんだからそんな暇は無かったのは明白だったんだが、あらゆる可能性を排除したくなかったのだ。

そんななので、2012年にまっさらな新曲“桜流し”が聴けた時には大変な衝撃だった。「日本人が日本語でこんな曲を書けるの!?」という驚き。更にそれが人間活動中だったヒカルから齎された。この曲に私が如何に入れ込んできたか。当時の日記を振り返るまでもないだろう。

桜流しもまた、封切り日当日の解禁だった。午前零時からPVのフルバージョンが72時間解禁され、配信販売も始まった。最速上映に赴いた人はそこで初めて桜流しを聴いた筈だ。一部では先にロビーで流れていて云々という話もあったみたいだが。


という訳で、この8年の流れ(3回だけだけどな)からすれば、次もまた封切り日に主題歌解禁かなとなるところだが、少し冷静に考えてみようか。

序の終幕を飾ったBeautiful Worldは確かに新劇版EVAの為に書き下ろされた楽曲だったが、それと共に、J-popアーティスト(と呼ばれていた事をヒカルがどう思っていたかは、そういえば知らない)である宇多田ヒカルの新曲でもあった。つまり、アニメ映画の主題歌のみならず、ただのPopソングでもあった訳だ。EVAに何の思い入れもない人でもこの曲は好きという人はわんさか居る筈である。2007年の年間売上でもTop20に入っていた。ヒット・メイカ宇多田ヒカルの面目躍如だった。

一方2009年のBWPbAMは完全に「映画の為のリミックス・バージョン」だった。CDシングルは発売されず、当時は配信音源のみ、ヒカルも当然(というのは実は結果論だったのかもしれないが)一切プロモーションをしなかった。そういう意味では2007年とは随分違っていた。

そして桜流し。そもそも人間活動中に新曲を書き下ろしている時点で「EVAの為に特別に」なのは明白だった。一方でミュージック・ビデオには一切EVAの匂い(いや別にオレンジ色の液体は関係ないぞ)は皆無で、それに伴ったDVDシングルも発売するなど、きっちり「アーティスト・宇多田ヒカルの新曲」としての側面もアピールしていた。


となると。次の曲についても、要はバランスなのだ。EVAの為にとどまらずヒカルの新曲としての側面が強いのであれば、例えば映画の方の封切りが遅れるのなら当日解禁の計画を外す、とか柔軟な対応をとる可能性もある。アルバム収録曲であるなら尚更だ。ユニバーサルからしてみれば、系列でもなんでもない映画制作会社のスケジュールに振り回されて「宇多田ヒカルのニュー・アルバム」の発売時期やプロモーションのタイミングを変える事は難しい。

恐らく、幾つかのプランが用意されているのだろう。もしEVAが何年何月までに公開できるならAプラン、それが無理ならBプラン、という風に。それに合わせヒカルのシングルカットの順序が変わったりするのかもしれない。ここらへんからは、誰か調整能力に長けた人物の登場を待ちたいところだ。

今のところ、公開時期未定の現時点では、2007年のようなやり方も2009年のようなやり方も2012年のようなやり方もどれも可能性があるとしかいえない。即ち、意味のある事は何も言えない。予想がつかない。ただ、今まではそういうパターンだったという頭の整理は必要である。来たるべき名曲の登場に向けて、万全の準備で臨みましょうぞ。