無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

making your milky love

いちご×みるくの2人の関係性を推し量るには、まずMaking Loveがどんな曲だったのかを思い出してみねばなるまい。

一頻りみるくさんの引っ越しについて(というか引っ越しをキッカケとして湧き上がった感情について、か)語り倒したあとサビで『あなたに会えてよかった/遠い町でも頑張ってね』、と揺れ動く気持ちに何とか整理をつけて励ましのことばを贈るのだがこのあと唐突に逆接の接続詞もナシで『新しいお部屋で君はもう making love』と来る。この流れは、例えば漫画で描写したとしたら恐らくギャグに、笑いを催すシーンになる事だろう。親友の片割れが相手の引っ越しに動揺して思い悩み思い詰め、涙を堪えて或いは拭って漸く絞り出した見送りのひとこと。一方ロシアは鉛筆を使った、ではないけれどもう一人の方はそんな親友のウェットな情感などどこ吹く風、新居で恋人と宜しくやっているのだ。このギャップ。大抵はギャグにしかならない。

最初に考えるのは、何故親友に贈る歌でこんな風に"茶化すような"一節を入れるのか、という事。更にはこのフレーズがタイトルにもなっている。どうしてこんなことになるのか。実際、『新しいお部屋で〜』の部分を歌詞からごっそり除いてもこの曲の物語はきっちり成立する。ぶっちゃけ要らない一行なのである。

一言でまとめてしまえば、「照れ隠し」なのかもしれないが、それにしては他の歌詞に何の躊躇いも感じられない。どれもこれもストレートな表現で、強いていえば肝心の『私が初めて惚れた女』という所がラップ風(といってもちゃんとメロディーがあるんだが)に、歌詞カードでいえばカタカナで『ワタシガハジメテホレタオンナ』となっている箇所は照れがあるといえなくもないが、それでも結局直接的な言い方になっている。他のパートによって隠す"照れ"は、これだけでは見えてこない。

或いは、嫉妬だろうか。つまりこのカップリングは親友以上というか恋人未満というか、お互いの恋人に対して嫉妬するような感情があるのだろうか。そんなヘテロを合成したややこしい百合々々しさがこの2人の間には存在するのか。だとしたら隠しているのは照れというよりもっと強烈な感情、という事になる。

その線も捨てきれないが、やはり私はこの『新しいお部屋で〜』の一節にはもっと明快な意図があると踏んでいる。恐らく、この曲における他の総てのメッセージに説得力を持たせる為に必要だったと思うのだ。細かい解説はまた次回。