無意識日記々

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「ジョジョの奇妙な冒険」第20話

週末に関東で放送されたアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」第20話は、一年に一度あるかないかの大絶賛の嵐を巻き起こした。この話が収録されるBD/DVDだけ3万枚を超えるんじゃないかという位完成度が高かった。私も思わず録画を見直してしまった。原作を読んで展開も台詞もナレーションも熟知していたのに感動を禁じ得なかった。アニメーションの力は恐ろしい。

思えば遠くへ来たもんだ。連載開始当初のこの原作作品は毎月打ち切りに怯えるような不人気作品だった。第19話あたりに一度クライマックスが来ているのも、恐らくここで終われるように、という事が作者のアタマにあったからに違いない。このまま終わるんじゃないかという不安を払拭してくれたのは、その時の雑誌の次回予告だった。「次週ジョジョの奇妙な冒険パートカラー」という予告は、即ちまだこの作品が暫く連載継続される事を示していた。連載終了間近な作品に準巻頭なんていう美味しい掲載位置を与えるはずがないから。ここで「首の皮一枚繋がったな」と一安心はしたものの、以降もずっと低空飛行は続いていた。よくもまぁ第3部まで持ちこたえたものだ。そういえばこの第20話にあたる話もパートカラーだったか。懐かしい。

と、そんな連載当時の雰囲気が忘れられない身としては、25年経ってこうやって大絶賛されている事に隔世の感がある訳だ。これは、時代が原作に追いついたというべきなのだろうか。アニメーション技術がここまで発達した今という時期のアニメ化が相応しかったという事か。寧ろWebで「ジョジョ的なもの」が通奏低音として評価されてきた、その空気に次々と新しい世代が乗っかってきた、という結果だろうか。魅力ある作品も、提示時期や提示方法次第でこうも評価が入れ替わる。同じ作品でも、再リリースを試してみる価値はあるというものだ。


今回はただ「ヒカルもベテランになってくると、過去の名曲の再リリースとかあるのかな」という話に繋げるつもりで前フリを書き始めたのに、案の定無駄に長くなってしまった。小さい頃に感銘を受けた作品の印象と影響はとても強いアニメがローカルの深夜枠なので、「今のこどもたちは」と言い切れない点は少々残念だが、時代を超えて名作が愛される姿、時代を生き残って次世代に影響を与える姿は何とも頼もしい。アニメがどこまで続くかわからないが、小さい頃の自分に「君の大好きな漫画が遂にアニメになったよ」と伝えるつもりで、最後まで見届けようかと思う。あれ、何これただの日記やん。