無意識日記々

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ヒットシングルの行方不明

で。ヒカルの"昔の曲"が再び取り上げられた例といえば、今のところ一つだけかな、Eternallyだ。一応Drama Mixという事になっているが、まぁ別テイクという感じで基本的には同じである。

アルバムDistance発売当時「何でこの必殺バラードをシングルカットせぇへんのじゃい」と息巻いていたクチとしては、この起用は本当に嬉しかった。漸くこの名曲が陽の目をみるかという感じだった。

果たして、蓋をあけてみると、何だか大して話題にならなかった。起用されたドラマの人気自体がさほどでなかった、というのがいちばん大きかったがそれにしても。花より男子2は爆発的な人気を誇っていたし、ラストフレンズはしり上がりに調子を出し視聴率は初回から数えて1.5倍以上に膨れ上がった。Flavor Of LifePrisoner Of Loveも、作品に恵まれたという事は出来る。でもやはり楽曲としても強かった。

Eternallyの場合は解釈と評価が難しい。ヒカルはThis Is The Oneと点線の為にプロモーションの日程を割く事は出来なかったし、販売も配信のみだった。盛り上がる要素は少なかった。しかしそれにしても、ねぇ。

最近のヒカルは(といってももう二年以上前の更に前の話だが)、気がついてみたらヒットシングルがない。Can't Wait 'Til Christmas も Goodbye Happinessも超々強力で、いつもなら大ヒット間違い無しだったと思うのだが。Be My LastやPassionは素晴らしい楽曲だが、だからといってそれが大ヒットするだなんて風には私は言わない。キャンクリとグッハピは、ヒットするだけの資質を備えているのに、CMで「ヒカルかわいい」という印象を与えるだけに終わったのが何だか悔しい。そりゃグッハピのUTUBE再生回数は見事なものだが(余談だけど、この間遂にFirst LoveがPrisoner Of Loveの再生回数を抜いた。それだけPoLが粘ったというべきなんだが。)、やはりこちらも"ヒットシングル"という感じとは程遠かった。なんとも勿体無い。

いやまぁ、言ってしまえば今は市場自体に「ヒット曲」ってのがないんですがね。そんなフィールドに、宇多田ヒカルといえど名を刻むのは難しいという事か。Eternallyがボチボチだったのも、2008年の時点でシーンがそういう状況に陥りつつあったからかもしれない。


配信時代に入れば、評価や評判は曲単位が主流になるかと期待していたが、実際にはそうはならず、やはりフィジカルで売れるものが注目を集める結果となっている。それは肝に銘じておかないといけないかもしれないな。

なんだかんだで、本人には全くその気はなかったんだろうが、2010年末に人間活動に入ったのは流れ上必然だったのかもしれないなぁ、といつものように思ってしまう。いい曲をいいと素直に評価する市場とその指針。それが出来るまでヒカルは帰ってこないかもしれない。いやヒカルがそういった事を基準に考えるというのではなくて、自然と必然の流れの上で、という事でね。