無意識日記々

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DJ・パーソナリティ不要論

ちらりちらりとInterFMを聴いていてすぐ思うのは、ビックリする程トークがつまらないという事だ。ラジオのパーソナリティというのは喋りの達人な筈なのだが、特にFMでは発音と滑舌はプロフェッショナルだが肝心の中身が、というケースが少なくない。

まぁこれはニーズに応えた結果だろう。FMラジオなんて合間々々にBGMで流しておくものなんだから耳当たりのよい"音"が聞こえてくればよい。中身の濃いトークなんて逆に煩わしいだけだ。発音と滑舌重視になるのは当然の帰結である。

さて、こんな風潮の中でピーターバラカン氏は"Real Music Station"というキャッチフレーズを掲げてきた。これ即ち、音楽を主体としたラジオ局という意味だろうが、大丈夫なのか。音楽について語れて、その話が面白いパーソナリティなんて何人居る事やら。いまのところ、InterFMでいちばん魅力的な番組はDJ無しノンストップで1時間音楽を掛け続ける番組である。DJは天気予報と交通情報を…ってそっちはそっちの専門家に喋ってもらえばいいや。ズバリ、DJ・パーソナリティは不要だと思う訳だ。

ここに宇多田ヒカルが飛び込む。かなり厳しい。Amazonで20代はイケイケ!のレビューをみてきたが概ね「喋りは挙動不審だが歌は抜群」という評価だった。ヒカルに喋りは期待されていない。ファンなら何喋っても喜んじゃうしそのニーズに応えるのがまず大事だがそれでいいのかというと悩ましい。

ただ、果たしてヒカルが音楽主体のトークを繰り広げてきた時に挙動不審のままかというとそうでもないかもしれない。真剣で落ち着いたトーンで曲を紹介するカラーになれば、印象も変わってくるだろう。UtaDAのプロモーション時の感想を訊かれて「インタビューがびっくりする程つまらない。どうでもいい事ばっかり訊いてくる。」とか何とか答えていたヒカルだが、今度は自分の喋りがつまらなくない事を示さねばならなくなるだろう。



…と手厳しい事を書いてみたものの、ファンとしてはあのグダグダトークを聴くのが楽しみな訳で、何とも複雑な心境だったりするんだけどね。嗚呼、何て贅沢な悩み。先週の今ごろは、こんな事で悩ましくなっているなんて考えてもみなかったというのに。