無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

前に書いた事を今一度書きますが

「キャリア」って難しいんだよねぇ。「その人に求められる最低限のクォリティー」ってのを常に維持してないと、仕事の場のレベルを下げざるを得なくなる。この緊張感は、人生のスケールで続いていく。

何の話かといえば、Hikaruの創作態度である。彼女は、特に作曲面において、恐ろしく平均レベルが高い。平均が高いだけでなく、分散が小さい。どの曲もほぼ必ず一定レベルを超えているのだ。オリジナル・アルバムを通して聴いた事のある人なら御存知だろうが、例えばThe Beatlesは捨て曲なしの名盤なんてものを一度も作った事がない。必ず誰もが知る事になる超名曲と別にそうでもない曲の混じったアルバムを10年出し続けた。確かに、アルバムのリリースペースが異常だったというのはあるのだが、60年代70年代の名盤というのは基本的に「名曲が複数入ったアルバム」という程度であり、例えば「HEART STATION」のようなずっと曲のクォリティーの落ちないアルバムなんてものは皆無だった。それこそKING CRIMSONのデビューアルバム位しか思い浮かばない。

Hikaruはこれからもずっとそうするのだろうか。少し例外的かな、と思わせたのが「This Is The One」で、あれで初めて“出来上がりのスピードを求める制作体制”に挑戦してみた気がする。だからといって、あのアルバムで飛ばしたくなる曲って俺の場合ないんだよなぁ…Automatic Part 2くらいかな。でもあれ聴かないとアルバムの流れがよくないんだよねぇ。Takin' My Money Backもちょっとな、と思うけどあれはトラックメイキングの方向性が私の趣味じゃないだけで、メロディーは頗る素晴らしい。てかあのアルバムのA面の哀メロ攻勢ってキャリア随一の充実度だよねぇ。歌の上手さがこれでもかと堪能出来るという意味でも。

あらなんだか脱線した。何が言いたかったかというと、どうにもその緊張感をラジオ番組制作にまで持ち込むのはやっぱりやりすぎなんじゃないかとな。毎度締め切りギリギリで納品するんじゃなくて、月末くらいまでにはサクッと録音しちゃってみんなを安心させれば…ってそれじゃあHikaruのやる気が出ないのかもしれんな。どうしたらいいんだべ?