無意識日記々

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浮動票と不動層

さて6月か。衣替えの季節? これだけ暑けりゃイヤでも着替えにゃならんて。今朝も朝から陽射しが眩しい。

何の話から始めたものか。あんな話やこんな話を散らかし放題で収集をつける気がない。まるで自分の部屋だな…いやここも自分の部屋だからおんなじになるわな。それはさておき。

週末は照實さんがヒカルの新曲についてちらちら漏らしていた。やはり、家族狩りの件にしても同様に、ヒカル陣営は「いきなり復活して皆を驚かせる」作戦ではなく、「復活の機運を高めた上で満をじして復活」の方を狙っているらしい。WOWOWのLuvLiveの放送も、なんだかよくわからないがスチャダラパーがゲストでやってくるらしい。ただの過去作品の放映にこんな事をするだなんておよそ考えられず、宇多田ヒカルのプロモーションの一環として予算がおりていると考えるのが妥当か。

この「先に機運を高めていく」作戦、意地の悪い見方をすればマーケティングの一環だとも捉えられる。人間活動突入から3年半、宇多田ヒカルの市場価値が現在どれほどのものかを見極めるのは難しい。多くの(包括的な)顧客情報を持っている筈のEMIA&R陣ですらそうなのだ。誰もそれは推し量れない。

現在の主だった指標はFL15の売上だろう。オリコンウィークリー9位という再発盤としては破格の売上を記録した訳だが、実際はかなり厳しい結果だったと強調しておく。A&R陣に比してかなりドライにシニカルに現況を見ている筈の私の予想ですら"甘過ぎ"だった。「Utadaと名のつくものが出たら何でも買う」層の数が8000〜10000程度という見立ての方は相変わらず合っていたようだが、そこから先、第一浮動層の数の見立ては大きく見誤っていた。FL15の15000枚は、なんだかんだで売り切れるだろうと踏んでいたのだ。実際はまだまだ現物が余っている状況で、Amazon価格は相変わらず12000円を切っている。このテの商品に対する購買意欲が予想以上に低かった。

私もクラシックロックが大好きなので、The BeatlesLed Zeppelinといった大御所の再発企画の売上を知っている。どうやらそれに倣ってFL15をみていた事が間違いの元凶だったようだ。見立て以上に、宇多田ヒカルブランドはライト層に支えられている。中途半端に高価な商品になっただけで途端に購買意欲が殺がれる。First8000たる"不動"層は相変わらず(たぶんまだあと10年は)鉄板だが、そこから先はほぼ総てが"浮動"層だとみるべきかもしれない。コアからなだらかにファン層が広がっていっているのではなく、不動と浮動の間は殆ど断崖絶壁だと考えた方がいい。

これを試すには、実際は実行して欲しくないが、8000人規模の会場でポール・マッカートニー並の料金設定でスペシャルライブをやってみればいい。8000人のうち物理的に来れない人も相当居るだろうから、例えばキャパ5000人の国際フォーラムで一晩、或いは赤坂BLITZ3daysとかでもいいかもしれない。それでどれ位集まるかでファン層を見極める事が出来る。しかし、そんな事をしたら評判が落ちる。その天秤からすればやらない方がいいだろう。何か他の方法を、考えなくてはいけないだろうな。